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2025.12.27 18:00

なぜ人は「上手くいき始めた瞬間」自らそれを壊すのか? 心理学者が教える4つの理由と対策

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3. 自分に対して否定的

自己破壊は、自己認識と深く結びついている。自分の価値や能力、幸福を得る権利を疑う人は、無意識のうちにそうした否定的な自己見解を裏付ける行動を取る。

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こうした行為は、自己不一致理論などの心理学理論で説明される。この理論では、実際の自分が理想とする自分と一致しない時、人は感情面で不快感を味わうとしている。この不一致は恥、不安、うつといったネガティブな感情を引き起こす。その不快感を軽減するため、たとえ本質的にポジティブな状況であっても、人は無意識にその不一致が浮き彫りになる状況を避けることがある。

例えば、心の奥底で「自分は成功に値しない」と信じている人は、成功する可能性があるチャンスを避けるかもしれない。なぜなら、その成功を受け入れることが不快な自己批判を引き起こすからだ。脆弱なアイデンティティを守るという観点から見ると、たとえ結果が自己破壊という逆効果をもたらすとしても、そうした行動は非論理的なものではない。

4. ストレスや不安を抱えている

自己破壊は、強いストレスや感情的な脅威に直面しているときに現れやすい。人が圧倒されたり、不安を感じたり、限界に達したりすると、神経は保護モードに切り替わる。前進する代わりに後退したり、回避したり、防御的になって引きこもったりする。

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脅威や不確実性は認知的調節を低下させ、回避行動を増やす。脅威が感じられる状況では、たとえその脅威が潜在的な成功や評価であっても、より安全に感じられる行動を取りがちだ。長期的な目標を損なう可能性があっても、そうした行動を取る。

具体的には、慢性的なストレス下にある人は先延ばししたり、くよくよ考えたり、あるいは長期的なメリットより短期的な安心感を選んだりする。つまりそのときに感じている不安を管理するために、自ら進歩を妨害する。

自己破壊のあらゆるパターンに共通する要素

これらの心理的プロセスは、表面的には大きく異なるように見える。先延ばし、放棄、人間関係における関わりの減少、注意散漫、否定的なセルフトークなどとして現れるが、根底には共通のテーマがある。

・自覚する自分の欠点が露呈するかもしれない状況を回避することで、自尊心を守りたいという欲求

・アイデンティティや情緒的安定を脅かすように感じられる、失敗または成功の結果に対する恐怖

・意図する目標と矛盾している、自尊心や能力に関する否定的な思い込み

・長期的な達成よりも心地よさを優先する、短期的な感情調節の戦略

「進歩を自ら妨げている」ように見える行為は、感情的・社会的・アイデンティティ関連のリスクを管理するために心が発達させた防御戦略であることが多い。自己破壊が意図的ではなく、自動的かつ無意識に感じられる理由はこのためだ。

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翻訳=溝口慈子

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