暮らし

2025.12.22 17:00

心理学者が教える「カップルが年末に交わすべき会話」 新年を前に整えたい、2人の感情と関係

Shutterstock.com

2. 「今年、2人にとって辛かったことは?」

人間は痛みを避ける傾向がある。しかし回避しても問題は解決しない。むしろ問題は蓄積し、悪化するだけだ。専門誌『Journal of Social and Personal Relationships』に2022年に掲載された研究は、カップルが困難な感情に直面したり変化を求められたりすると、抑圧して対立を回避する傾向があることを詳細に示している。

advertisement

この抑圧は短期的には調和を生むかもしれないが、長期的な絆を築くことは稀だ。実際、埋もれた緊張が再び表面化するまでの短い間、「期待に応える」のを助けるに過ぎない。再評価、つまり感情を理解し言葉にするために立ち止まることこそが、より健全な適応と持続可能な関係の変化を促す。

「今年、2人にとって辛かったことは?」と問うことに大きな意味があるのはそのためだ。目的は過去の対立を蒸し返すことではない。精神的に負担になったことを認め、来年に持ち越す必要のないものを手放すことだ。対立ではなく明確さを促すための質問としては、以下のようなものがある。

・私たちが参ったことは何か?
・繰り返し浮上したテーマは何か?
・言葉にされなかったニーズは何か?
・私たちが今も固執しているものは何か?

advertisement

困難な経験を明らかにすると感情的な反応が減り、認知の明瞭さが高まり、感情的な安全が強化される。これを定期的に行うカップルは、混乱することなく難しい話題を話し合えるようにする。

そして往々にして、「私たちは圧倒されていた」「助けを求める方法がわからなかった」と言うだけで苛立ちが和らぎ、思いやりが生まれる。この会話は困難そのものよりもはるかに関係を傷つける困難の蓄積を、回避する助けとなる。

3. 「来年はどうありたいか?」

将来に対する認識を共有するカップルは、関係に関するほぼ全ての指標が良好という一貫した証拠がある。2022年のメタ分析研究では、目標を一致させ互いの志を支え合うカップルは関係満足度が著しく高いことが示されている。

実際、この研究で最も強力な予測因子は目標の一致度、つまりカップルの将来像がどれほど似ているかだった。対照的に、目標の相違は確実に満足度の低下を予測し、言葉にされない不一致の願望が関係に与える代償を浮き彫りにしている。

この会話は、焦点を「来年何をすべきか?」から「来年私たちの関係をどんなふうにしたいか?」へと転換する。意図的なトーンの設定を通じて、来年の感情的な基盤の設計を促す。カップルがそのビジョンを共に作る際に特に役立つ、ベースとなる質問をいくつか挙げる。

・それぞれが自分の中で成長させたいと思うことで、2人を強化することにつながるものは何か?
・日々の生活でよりつながりを感じられるようにするには何が必要か?
・優先的に実践したい2人の儀式は何か?

意外な違いに気づいても、これは不一致のリストではないことを覚えておきたい。設計の問題であり、困難を共に乗り越えることで「私たち」という感覚は強まる。

翌年の感情的な「設計」を意図的に選ぶことで、古い習慣に逆戻りするのではなく、実際に大きな変化を目にする可能性が格段に高まる。これは一年を通じて、意識的に関係を共に作り出す方法だ。

次ページ > 「来年は何を守る?」

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事