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2025.12.22 17:00

心理学者が教える「カップルが年末に交わすべき会話」 新年を前に整えたい、2人の感情と関係

Shutterstock.com

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ラストスパートをかける年末は、どこか不思議な爽やかさがある。おそらく時間がきちんとまとまる感覚、あるいは真新しいスタートを切ることの心理的な魅力のようなものだろう。しかし文化的に人間は年末が振り返りの時だと直感的に理解している。心の問題に関して言うと、この季節の区切りは何かに意識を向ける気持ちを再調整する機会となる。うまくいっているカップルは、定期的に率直な会話を交わす。

そうした会話は、新年が正式に始まる前に持つのが最善だ。そうすれば、2人が展開するストーリーに反応するのではなく、積極的にストーリーを作る機会を得られる。新たな視点で新年を迎えたいカップルのために、年末にするといい4つの会話を紹介しよう。これらの会話を、自分をまっさらな状態に戻し、整然とした1月にする機会と考えてほしい。

1. 「今年うまくいったことは?」

カップルができる最も効果的なことの1つは、失敗したことに焦点を当てるのではなく、うまくいったことに気づくことであるということが、次第に明らかになってきている。ポジティブ心理学では、うまくいっていることへの感謝を表現することが回復力を高め、関係の満足度を向上させるという実証的根拠が長年ある。

重要なことに、実験研究では感謝の行為そのものよりも、パートナーがそれにどう応えるかが決定的に重要だということが示されている。双方の認識と理解が存在する場では、その効果は飛躍的に増幅する。というのもそれが「私たちらしさ」を強化し、それによってカップルが共有するリソースが増えるからだ。しかし反応がさほどない場合、効果は大幅に弱まる。これは、本物のつながりこそが関係を発展させる原動力であることを示している。

この会話はシンプルだが、効果は計り知れない。例えば、以下のように尋ねることができる。

・今年、私たちがチームとして上手く対処できたことは?
・どのような小さな習慣や実践、選択が親近感を強めるのに役立ったか?
・どんな時に「最高の私たち」を感じたか?

これは一年を感傷的に振り返るということではなく、継続する価値のあるパターンを見極めるということだ。問いの答えはストレスの多い週に行った状況確認、思いがけず心を落ち着けてくれた少し変わった朝の習慣、あるいはデートの日を死守したことかもしれない。

こうしたことを話し合うのは楽しくもあり、セラピーのようなものでもある。2人の関係の心理的な足場を強化するからだ。来る年に向けたメンタルマップが得られ、自動操縦状態に陥るリスクを減らす。

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翻訳=溝口慈子

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