スポーツ

2025.12.23 14:15

Bリーグ世界2位への壁はシュート精度 データの通信簿が明かす成長の条件

makieni / Adobe Stock

スタッツ・データが示すBリーグの「リアル」

「B.革新」は、戦力均衡による「接戦の多いリーグ」を理想像の一つに掲げる。レポートによると、B1リーグにおける「6点差以内」の僅差試合の割合は、2024-25シーズンは29%。シーズンによって変動はありつつも、概ね30%前後で推移。第4クオーター残り5分で5点差以内となる「クラッチタイム」突入割合も、B1では45~50%前後で安定、約半数の試合が終盤までもつれている現状を示唆している。こうした展開が、Bリーグの成長に繋がっている可能性が示唆される。

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より顕著な変化が見られたのは「平均リードチェンジ回数」はリーグ・スタート時、B1・B2共に20-21シーズンを境に、1試合平均3.2回から直近では5.2回へと明確な増加傾向を示している。レポートはこの要因として、同年度に導入された「アジア特別枠」の影響を指摘。従来、帰化選手を擁するクラブがインサイドで優位性を築く構図があったが、アジア特別枠選手の加入により、その戦力差が縮まり、試合展開がより拮抗するようになった可能性が高い。これは、制度変更がリーグ全体の競争力を底上げした好例と言えるだろう。

「NBAに次ぐ世界第2位のリーグ」という野心的な目標に対し、Bリーグの現在地はどこにあるのか。レポートは、B1・B2リーグの4つの指針(勝利に直結する4大要素)から、NBA、ユーロリーグ、NBL(オーストラリア)、KBL(韓国)、CBA(中国)と比較している。まず4つの指針は以下の通り。

1.eFG%=3Pシュートに比重(1.5倍)をかけて補正したフィールドゴール成功率 (FG成功数+3P成功数×0.5)÷FG試投数
2.TOV%=1回のオフェンスでチームがターンオーバーをする確率 ターンオーバー÷(FG試投数+FT試投数×0.44+ターンオーバー)
3.ORB%=自チームのシュートが外れた際にオフェンスリバウンドを獲得する割合 オフェンスリバウンド÷(オフェンスリバウンド+相手ディフェンスリバウンド)
4.FTR=オフェンス時にフリースローを獲得する頻度 FT試投数÷FG試投数

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以上により、リーグが世界を目指す上で、避けて通れない現実が浮き彫りになる。

次ページ > 世界との乖離──シュート精度の低さ、リバウンドの強さ

文=松永裕司

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