山火事は世界的に激化している。より高温化し、規模も拡大し、頻度も増している。地球の野生生物の大半にとって、これは厳しい現実だ。木々は失われ、動物たちは逃げ惑い、生態系全体が完全に再編されてしまう。
しかし、こうした惨事の中にあっても、新たな回復力が生まれつつあるようだ。多くの爬虫類、とりわけヘビにとって、火災後の壊滅的な生息環境は、必ずしも死を意味しない。むしろ一部に関しては、生き延びられる可能性があるようだ。
学術誌『Fire』で2024年に発表された研究では、2019年から2020年にかけてオーストラリアのニューサウスウェールズ州で発生した大規模森林火災「ブラック・サマー」の影響を調査した。これらの火災は、広大な低木林を壊滅させたが、火災から3年後の爬虫類の多様性と生息状況は、焼失地域と未焼失地域でほとんど差が見られなかった。つまり、甚大な被害があったにもかかわらず、多くの爬虫類が生き延びていたのだ。
以下では、爬虫類がどのように生き延びるかについて、研究結果から説明していこう。
ヘビはどのように「耐火性」を獲得しているのか?
ヘビ(そして多くの爬虫類)は、しばしば微小生息地(micro-habitats)に依存している。樹冠や、落ち葉に覆われた林床に依存する他の分類群と異なり、爬虫類は岩の下や、地下の巣穴、絡み合った根の間、丸太の空洞などに暮らしている。最も重要なのは、火災が起こってもこれらの微小生息地は激しい炎から守られることが多く、それほど高温にならず湿った状態を保つことだ。
2024年の爬虫類調査によれば、爬虫類が利用するさまざまな避難場所の「熱環境」は、未焼失区域、低焼失区域、高焼失区域の間で有意な差は認められなかった。これは、植生や落葉層が剥ぎ取られても、地表の裂け目や避難場所が、温度変化や煙の影響を緩和してくれることを意味する。結果として、変温動物(外温性動物)に生存のチャンスを与えるのだ。
他の長期研究も、これを裏付けている。『International Journal of Wildland Fire』に発表された2024年の研究では、オーストラリア南西部の都市部に残存する森林を調査した結果、火災で深刻な影響を受けた場合でも、爬虫類群集は3年以内にほぼ火災前の水準まで回復していたことが判明した。



