山火事は絶滅を意味する、と広く考えられている。しかしこれらの発見は、微小生息地の構造と地下の避難場所が生存の鍵となる可能性を示唆している。これは特に、ヘビのような、移動能力の低い変温動物に当てはまる。
山火事に襲われた環境では、哺乳類は通常、深刻なエネルギー危機に直面する。
・熱ストレス
・植生の焼失
・獲物の減少
・避難場所の破壊
しかし、ヘビは外温性(代謝熱ではなく、太陽光などの外部熱源によって体温を維持する性質)であり、違うルールに基づいて生きている。ヘビは、常に食べ続けて自力で体温を維持する必要はない。その代わりに、外部の熱源を利用し、代謝を最小限に抑え、季節に応じて活動を低下させることで、生きていくことができる。
火災後の風景では、地表を覆う植物や樹冠の大半が失われている。これにより、通常よりも深い場所まで日光が届くようになる。そのため日中は、岩やむき出しの地面は急速に熱を帯び、ヘビはすばやく体温を上げることができる。そして夜が訪れると、涼しい場所に避難することもできる。
山火事といった深刻な生息地への衝撃が起こった後、こうした柔軟な体温調節能力は、より効率的な狩りやより速い消化につながり、回復力の向上につながる可能性がある。学術誌『Oryx』に発表された2024年の研究は、火災後の環境が、一時的に「ヘビの楽園」を生み出す可能性すら示唆している。
・日光浴できる場所が増える
・障害物が減る
・獲物(小型哺乳類、トカゲ、昆虫など)が焼け出されて増加する
これらの知見を総合すると、肉食の変温動物にとって、火災は生態系をリセットし、その狩猟戦略と生存戦略に有利に働く可能性があることを示唆している。
火災後のヘビ。急速な再定着と回復力
火災を生き延びることと、火災後に繁栄することは別の話だ。しかし驚くべきことに、最新の研究によれば、多くの爬虫類はこれら両方の偉業を成し遂げている。『Fire』に発表された前述の研究では、わずか3年以内に、爬虫類群集の構成が、火災前に近い状態まで回復できたことが判明している。
同様に、地中海性環境における大規模火災後の爬虫類の反応を調べた2022年の広範なレビュー研究では、火災直後には個体数が全体的に減少したものの、多くの種が生存し続けたことが指摘された。これは火災中心部においても同様で、多くの種が最大4年後まで生息を確認できた。


