北米

2025.12.19 11:00

銃乱射事件による死者数、7年ぶりの低水準に 米国

銃撃事件が発生した米東部ロードアイランド州のブラウン大学で捜査に当たる警察官。2025年12月14日撮影(Jessica Rinaldi/The Boston Globe via Getty Images)

銃撃事件が発生した米東部ロードアイランド州のブラウン大学で捜査に当たる警察官。2025年12月14日撮影(Jessica Rinaldi/The Boston Globe via Getty Images)

米国で発生した銃乱射事件の件数は今年大幅に減り、死傷者数も減少した。だが、同国では依然として銃撃事件により1日平均5人以上が負傷している。

米非営利団体の銃暴力アーカイブ(GVA)によると、年初から16日までに全米で報告された銃乱射事件は393件に上り、昨年同時期に報告された491件より20%減少した。過去最多を記録した2021年の669件と比較すると、41%の減少となった。同団体は銃乱射事件を、銃撃犯を除いて4人以上が負傷または死亡した事件と定義している。

今年の銃乱射事件の発生件数は、392件だった2019年以来の低水準で、死者数は7年ぶりに少ない値となっている。今年の銃乱射事件による死者数は348人に上っているが、これは2018年の336人以来の低水準だ。負傷者数は1786人と、2019年以降で最低水準となっている。つまり、今年は銃乱射事件で毎日平均5人が負傷していることになる。

米東部ロードアイランド州のブラウン大学で13日、銃撃があり、学生2人が死亡し、9人が負傷した。米国では今年、これまでに30件の銃乱射事件が発生している。南部ミシシッピ州リーランドの高校で10月に起きた事件では7人が死亡した。州別では、今年最多の銃乱射事件が発生したのは南部テキサス州と西部カリフォルニア州で、それぞれ35件と29件報告されている。今年最も多くの死者を出した15件の銃乱射事件の犠牲者の総数は63人に上る。7人の死者を出したリーランドの高校の事件が最多で、残り14件の事件ではそれぞれ4人が死亡した。

米AP通信と米紙USAトゥデーが米ノースイースタン大学と共同で管理するデータベースによると、今年に入って17件の大量殺人事件が発生している。大量殺人事件とは、24時間以内に加害者を除く4人以上が殺害される事件を指す。これは2006年以降で最低の値だが、専門家は米公共放送PBSに対し、この減少は永続的な変化の兆しというより、むしろ2018~19年に発生した大量殺人事件の異常な急増後、平均的な犯罪水準に戻った可能性が高いと説明した。北部ミネソタ州メトロポリタン州立大学のジェームズ・デンスリー教授はPBSに「2025年は歴史的な文脈では極めて良好に見えるが、だからといって問題が完全に解決したわけではない」と述べた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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