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2026.02.27 11:00

事業承継問題を解決して地域経済を活性化。筑邦銀行とM&A総合研究所が協業するM&A支援

地域金融機関の現場力で中小企業の事業承継問題に取り組む福岡・久留米を地盤とする筑邦銀行と、AIマッチングで急成長を遂げるM&A総合研究所は、M&A領域で協業を進めている。金融×M&A仲介という新たな連携モデルは、今後の地域経済をどう変えるのだろうか。筑邦銀行 代表取締役会長の佐藤清一郎と、M&A総合研究所 代表取締役社長の佐上峻作に話を聞いた。


福岡の企業と関東の企業をつなぐ

──地方企業を取り巻く事業承継の現状についてお聞かせください。 

佐藤清一郎(以下、佐藤):コロナ禍以降、自分がいつどうなるかわからないと思うようになった高齢の経営者が増え、事業承継を真剣に考えるようになっています。優良企業の事業承継を円滑に進めなければ、日本経済にとって非常に大きな損失になるので、事業承継のご支援は、地銀の「一丁目一番地」の仕事ととらえています。

その最大の問題は、株式の譲渡です。例えばオーナー社長は、優秀な番頭さんに事業を任せたい。しかし、番頭さんやその家族は、仕事は引き継いでもいいけど株は引き継ぎたくないと考えるケースが少なくありません。そこで考えたのが、当行による「株式永久保有」です。ファンドによる買収は数年後の売却を前提としているため、数年後には再度、株式譲渡先の選定という課題に直面することとなり、安定的な会社経営や従業員の雇用に影響を及ぼす可能性があります。我々が株をもつことで、従業員の雇用や取引が維持されますし、地域に税金も払われるので、地方の活性化が保たれます。

佐藤清一郎 筑邦銀行 代表取締役
佐藤清一郎 筑邦銀行 代表取締役

佐上峻作(以下、佐上):おっしゃる通り、事業承継は課題です。株の問題に関しては、M&Aが有効な解決策のひとつです。親族や従業員に承継する方法もありますが、税金などの課題もあるので、M&Aで第三者に譲り渡すケースが増えています。

佐藤:すべての会社の株を当行がもつことはできないので、M&Aを選択する場合もあります。ただしM&A仲介は、譲渡企業と譲受企業の双方が依頼者となるため、金融機関の立場としては「利益相反取引」と認識しています。一方は高く売りたいし、一方は安く買いたいからです。そこで当行では、FA(フィナンシャルアドバイザー)としての立場で、M&A業務を展開してきました。

佐上:当社でもFAとしてM&A業務を行うこともありますし、仲介として行うこともあります。どちらの立場になるかは、ニーズ次第だと考えています。FAで扱うディールは、基本的には規模が大きい傾向があります。一方で、中小企業においては金額だけではなく、マッチングを重視しつつ、自身の思いに寄り添ったフォローをしてほしいというニーズもあります。私たちは、お客さまにとっていちばんいいサービスを主軸に置いていますので、お客さまに選んでいただくのが正しいと考えています。

──筑邦銀行とM&A総合研究所との連携の背景を教えてください。

佐上:当社では設立以来、直接型営業のみでM&A仲介事業を展開してきましたが、お客様のニーズに合わせて金融機関や税理士・会計士を通じた紹介型営業についても実施すべきと考え、2023年に「金融提携部」「会計提携部」を発足しました。金融提携部発足後、各金融機関に連携を提案させていただくなかで、筑邦銀行様とはかなり早いタイミングで連携を開始させていただきました。

佐藤:当行では24年に「中期経営計画2024」を策定いたしましたが、前中期経営計画で掲げてきた、「人、まち、地域を『動かす人』がいる銀行へ」というスローガンを継承し、「お客さま支援ビジネスの多様化」を基本方針に掲げています。そのような環境下、M&A総合研究所は、当行が展開しているFA業務に柔軟に対応できること、業界屈指のマッチング力を有していること、AIやDXによる業務効率化を図っていることなどから、当行のお客さま支援に資する外部連携先と判断し、連携をスタートしました。 

──これまでにどのような成果があったのでしょうか。

佐藤:M&Aでは、短期間でお客さまのニーズに合致し、成約につながった案件がいくつもあります。例えば、譲渡を検討していた内装工事業のお客さまのケースです。お客さまは地場の競合先には売りたくないという意向があったため、M&A総合研究所に関東エリアの買い手を探していただき、結果的にスムーズな成約につながりました。

佐上:M&A以外では、当社が筑邦銀行の全営業店の行員に向けてM&A研修会を2回実施したほか、人材交流も行っています。当社では金融機関からははじめてとなるトレーニーを筑邦銀行から受け入れ、一方で当社の社員2名を筑邦銀行に出向させていただいています。

佐藤:研修会では、金融機関としてM&A業務に取り組む意義などをご講義いただき、各支店長をはじめ、営業店の行員のM&Aに対する意識が前向きに変わったと感じています。また出向者は、M&A総合研究所ではシステムの改修をこれまでに1万2,000回以上行っているという話を聞いて、大変感心していました。スピードとマッチングの精度を追求した次世代型のM&Aサービスを提供されていて、とても素晴らしいと思っています。 

佐上:毎日システムを改修することで、私たちの労働時間も短縮されますが、いちばんの目的は、M&A業務プロセスの短縮化です。成約までに1〜2年かかかっていたら、お客さまの心理的負荷はかなり大きい。それを短くすることは、お客さまにとって大きな価値があるので、DX・AIの開発を続けています。

佐上峻作 M&A総合研究所 代表取締役社長
佐上峻作 M&A総合研究所 代表取締役社長

農業など幅広い分野に連携を拡大

──M&Aを巡っては近年、悪意ある買い手によるトラブルが問題になっています。コンプライアンス対策には、どのように取り組んでいるのでしょうか。

佐藤:当行の経営理念のひとつは「正しい倫理観がすべての出発点」です。最近は金融機関でも不祥事が絶えませんが、何をするにしても「正しい倫理観」を起点に、コンプライアンスを重視しています。M&A総合研究所もかなりコンプライアンスに力を入れているので、安心感があります。 

佐上:直近では中小企業庁がガイドラインを制定し、私が理事を務めるM&A支援機関協会においても自主規制ルールが整備されています。私たちはこれらに加え、独自にさらに厳格な基準を設けています。M&Aにおける買い手企業を審査する際は、財務情報を見るだけでは不十分と考え、2024年8月にコンプライアンス部を設立し、約100項目にわたる定量・定性のチェックリストを用いて多角的に評価しています。

また、多様なデータベースを所有する企業とも連携し、日本国内で取得可能なデータはほぼすべて収集できる体制を構築しています。こういった施策には億単位の資金を投じており、コンプライアンス部の発足以降は悪質な買い手問題は一切発生しておりません。情報量・分析精度ともに「これ以上はできない」と胸を張れるレベルの対策を講じていると自負しています。

──両社の連携は今後、どのように広がっていくのでしょうか。

佐藤:当行の本店がある福岡県南部は、農業が盛んな地域です。高齢化や耕作放棄地など深刻な問題はありますが、チャレンジ精神旺盛でやる気のある農業事業者がおられますので、そこに行政や金融機関を加えたプラットフォームを形成する「筑後アグリネットワーク(CAN)」を主催し、情報交換を促進しています。当行自体も農地所有適格法人に資本参加していますし、農業関連のM&A案件も増加する見込みなので、この分野でも連携していければと考えています。 

このほかに当行には、中国人やベトナム人が行員として活躍しており、当行が提携する「アジア福岡パートナーズ(AFP)」を中心にアジアビジネスのコンサルティング業務を行っています。今後は、クロスボーダーでのM&Aも増えていくでしょう。

また、M&A総合研究所はグループでコンサルティングやリース事業も展開しています。当行グループ会社ではファイナンスリースしか提供していないので、オペレーティングリースでも連携できればと考えています。 

佐上:私たちのスピード感やコスト面、コンプライアンス面を生かすことで、佐藤会長がおっしゃるように、多方面で提携を深化させていければと考えています。お客さまと金融機関との信頼関係は強固なものであり、M&A業務においても親和性が高く、筑邦銀行からはさまざまなことを学ばせていただいています。今後の金融機関との連携強化は、当社の成長ドライバーになるととらえています。

──今後の展望をお聞かせください。

佐藤:当行は九州電力とSBIと共に地域電子通貨を取り扱う「まちのわ」という会社を設立しています。この電子通貨プラットフォームは、ふるさと納税や健康ポイントなど多様な応用が可能で、各地方の地銀や有力企業の参画によって、さらに大きく発展していくことが期待されています。

また当行では、クオンツ総研ホールディングスグループ全社にも導入していただいている、法人向けコンサルティングメニューである企業型確定拠出年金プラン「誰でもDCプラン」にも力を入れています。民主主義は豊かな中間層がいなくなったら保てないので、それを維持するためにも、中小企業の従業員の方たちには資産形成をしていただかなければならない。公的年金にこの私的年金を上乗せすることで、中小企業の従業員の福利厚生や資産形成に貢献し、豊かな中間層を日本に復活することを目指しています。


さとう・せいいちろう◎筑邦銀行代表取締役会長。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。第一勧業銀行取締役欧州支配人兼ロンドン支店長、みずほコーポレート銀行常務執行役員欧州地域統括、みずほ証券副社長などを歴任。2006年、筑邦銀行に入行。09年に頭取に就任し、24年より現職。

さがみ・しゅんさく◎M&A総合研究所代表取締役社長。神戸大学農学部卒業後、マイクロアド入社。広告システムのアルゴリズム開発等に従事したのち、2016年に1社目であるメディコマを創業。約1年でベクトルへ株式譲渡。18年に2社目であるM&A総合研究所を創業し、22年6月、創業から3年9カ月で株式上場を果たす。