テクノロジー

2025.12.19 11:45

【開催直前レポート】CES 2026で始まる、AIと産業の新たな戦略

イノベーションアワードが示す「産業領域への実装シフト」

CESの構造変化は、核となるイノベーションアワードの動向からも明確に読み取れる。

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CES 2026の応募数は過去最高の3,600件超に上るものの、受賞率は昨年の約13%から約9%へ大幅に低下した。より多くの企業がイノベーションを目指す一方で、受賞のハードルが上がり、質の高いものだけが選ばれるようになっている。

審査基準も「新規性」より、「実装性、社会性(impact / real-world deployment)」が重視される。カテゴリー別では、デジタルヘルスが一貫して多く受賞している一方、スマートホーム分野の受賞が減少し、産業分野(Enterprise/Industrial)が大きく増加している。これはまさに、CESの中心がコンシューマーから産業領域へ移行していることを物語る。Best of Innovation受賞プロダクトからもその変化を感じることができる。

注目のBest of Innovation受賞プロダクト

Oshkosh JLG Boom Lift with Robotic End Effector:昨年ゴミ収集車の自動化で話題を集めたオシュコシュが、今年は高所作業車にロボットアームを搭載。高所での複雑なタスクをデジタル連携で自動実行可能にした。建設・インフラ現場における「働くクルマ」のAI/ロボティクス化が、次世代産業向けテクノロジーの主戦場となることを示している。

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Samsung S3SSE2A:業界初のハードウェアベース耐量子計算機暗号を搭載した組み込みセキュリティチップ。量子コンピュータによる暗号解読の脅威から、個人・企業データを強力に保護する。CES Foundryで注目のAI・量子コンピューティングが、セキュリティという社会基盤に直結する分野で実装され始めている。

Smart Firefighting Robot:AIとミリ波レーダーを搭載した自律型消防ロボット。視界不良下でも走行し、燃焼物を識別して最適な消火を実現する。危険環境下での公共・産業向けロボティクスの進化を象徴する。

他にも、テキスト・音声・ビデオから高品質な3Dモーションを生成するAIプラットフォーム「Neuroid Playmaker」、携帯圏外でもSOS発信を可能にしたウェアラブル「Snapdragon W5+ Gen 2」など、技術の実装性と社会性を重視する傾向が強く表れている。

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文=西村真里子

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