東松寛文氏。平日は広告代理店で働くかたわら、週末には世界中を旅する「リーマントラベラー」だ。これまでに102カ国247都市に渡航、2016年、3カ月間で世界一周を達成し、『地球の歩き方』から旅のプロに選ばれた。
『リーマントラベラー 週末だけで世界一周』(河出文庫)
『リーマントラベラー 週末だけで世界一周』(河出文庫)などの著書があり、オーストラリア、ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使でもある、文字通り「週末海外旅行の猛者」東松氏に、旅の極意、次の旅に速攻役立つトリビア的な教養知識を伝授していただく。
本稿はその2回目。人気記事:航空券「SSSS」の印字はFBIの注意喚起暗号? 一般人も例外にあらず に続き、電波が不安定な旅先で「ここはどこ?」にならないための「旅のお守り」についてアドバイスする。
避けたい、「地図見るだけで通信量消費」
旅行や出張で海外に行くとき、少し前までは紙の地図やガイドブックが欠かせない存在でした。しかし最近は、スマートフォンが日本とほぼ同じ感覚で使える国も増え、「スマホの地図アプリがあれば大丈夫」と感じている方も多いのではないでしょうか。実際、主要都市の中心部であれば、それで困らない場面は確実に増えました。
一方で、僕自身が100カ国以上を旅してきて強く感じているのは、「どんな国でも、必ず電波が不安定になる瞬間がある」という事実です。
都市部であっても、地下鉄の構内や建物の中、郊外へ向かう電車やバスの車内、山間部、国境付近など、通信が途切れる場面は少なくありません。さらに意外と電波が不安定なことが多いのが、空港が都市部から離れたところにある国だと、空港に到着した直後や、空港からホテルへ移動している最中です。
「地図を開きたいのに、つながらない」
「今どこにいるのか分からない」
この数分間の不安は、日本にいるとそう感じることはなかなかないですが、海外では思っている以上に大きなストレスになります。
加えて、国や通信プランによっては、ローミング通信が想像以上に高額になるケースもあります。出張でも家族旅行でも、「地図を見るだけで通信量を消費してしまう状況」は、できれば避けたいところです。
そんなときに頼りになるのが、電波がなくても利用できる「オフライン地図」です。
使わないかもしれない。でも、入れておくだけで安心できる。僕にとってオフライン地図は、まさに旅の「おまもり」のような存在です。




