とくに冬場、お風呂からあがって鏡を見ると顔が真っ赤、という人が増える。温冷差によって皮膚血管が敏感に反応するためだ。これが肌のトラブルにつながることもあるので、入浴方法を考え直す必要がある。
医療法人社団鉄結会は、全国の20〜50代の男女300人を対象に、冬のお風呂と肌トラブルに関する調査を実施した。それによると、風呂上がりに顔が赤くなる人は、「毎回赤くなる」から「たまに赤くなる」までを含めると、じつに9割近くにのぼった。
「皮膚血管拡張反応」と呼ばれるこの現象は、お風呂で体が温まると血管が拡張して血流が増すことによるものだ。冬は暖かい浴室から寒い脱衣場に移動すると、急激な温度変化により血管が拡張と収縮を繰り返し、赤みが長引くとのこと。

赤みが落ち着くまでの時間を尋ねると、10〜30分という人がもっとも多い。じつは、10分以上赤みが続くと肌トラブルにつながる危険性が増すとのことだ。

そうした急激な温度変化を防ぐには、ぬるめのお湯に浸かるのがいいのだが、お風呂のお湯の温度を聞くと、41〜42℃の人が34.7%ともっとも多く、次に42〜43℃と熱めが人気だった。

実際に温冷差による肌トラブルを経験した人は多く、顔の赤みのほか、肌の乾燥、つっぱり、かゆみ、肌荒れやニキビなどがあげられた。ところが、熱いお風呂がこれらの症状を招くことを認識している人は、32%と少数派だ。気にはなるものの、その原因が熱いお風呂にあると気づいている人が少ないというわけだ。

鉄結会が展開する形成外科アイシークリニックの治療責任者、高桑康太医師は、温冷差で血管の拡張と収縮が繰り返されると、皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな症状を引き起こすと説明している。これを防ぐために入浴時に気をつけたいこととして、次の5つをあげているので、実践してはいかがだろうか。
1. お湯の温度は38〜40℃
2. 入浴時間は10〜15分程度に
3. 脱衣所を暖めて温度差を小さくする
4. 入浴後はすぐに保湿ケアを行う
5. 顔を冷水で急に冷やさない



