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2025.12.26 07:15

2027年卒の就活生に異変 生成AI常用者の51%が志望業界を変更する理由

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生成AIによる社会への影響は大きいが、就職活動にもそれが現れている。生成AIをよく使う就活生ほど、志望業界の選択が慎重になり、見直すことも多いという。その理由は求人側もよく知っておく必要がありそうだ。

就活生のためのコミュニティーサイト「みん就」は、2027年卒業予定のサイト利用者を対象に、生成AIと就職活動に関する調査を行った(有効回答数1116件)。それによると、生成AIを使う頻度が「毎日」という学生の51%が志望業界の見直しを行っていることがわかった。そのうち「大きく変わった」という学生は19%。使用頻度が週に2〜3回程度と週1回以下の学生は9%と極端に少ない。

どうしてだろうか。労働市場の雇用の変化について尋ねると、生成AIをよく使う学生ほど、それが雇用に与える影響をよく理解していて、今後、雇用が減ることを懸念していた。

だが同時に、生成AIをよく使う学生は、それがキャリアに与える影響をポジティブに捉える傾向が強い。つまり、生成AIを使い慣れた学生は、業務でのその有効性を具体的に把握し、どのような職種がAIに置き換えられるかを理解している。そのため、より安全な業種を見極めることができ、志望を変更するというわけだ。

「みん就」が主催する合同説明会でも、企業の生成AI活用に関する質問が増えているという。そうした、生成AIに関心が高い学生と、そうでない学生との間で就活の二極化が進むという心配もあるが、生成AI活用により求人が減る懸念があるほか、求人減や将来的な代替リスクも指摘されている。

現に、 独立行政法人 労働政策研究・研修機構の『働く意識の変化や新たなテクノロジーに応じた労働の質の向上に向けた人材戦略に関する調査(企業調査・労働者調査)』(2025年9月発表)によれば、正社員の48.3%がテクノロジーの導入で仕事内容の変化や職場で取り残されること、仕事が奪われることに不安を抱いている。

就活生は、もっと生成AIに関心を持ち、使いこなす技能を養う必要があるだろう。また就活生を受け入れる企業側は、今後、生成AIに代替させる業務、これからも人間が担うべき業務を明確にすることが求められると「みん就」は指摘している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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