ウイスキー・マスターズ評議会(Council of Whiskey Masters)は、世界有数のウイスキー専門知識の拠点だ。メンバーには、マスターブレンダー(ブレンド責任者)、マスターディスティラー(蒸留責任者)、Keepers of the Quaich(スコッチウイスキー業界の功労者)、専門書籍の著者、教育者、経験豊富なコンペティション審査員が名を連ねる。こうした人々が、ウイスキー、とりわけバーボンが世界でどのように評価され、語られ、理解されるかを形作っている。
今回の記事執筆に先立ち、これら第一線の論者たちに、見かけほど単純ではない質問を投げかけた。「2025年に試飲した米国産ウイスキーの中で、最もエキサイティングだった1本は何ですか」。回答には、超長期熟成の象徴的ボトルから革新的な新蒸留酒まで、幅広いバーボン、テネシー・ウイスキー、アメリカン・シングルモルトが並んだ。こうして、今日のトップ級のウイスキーの目利きが、真剣な愛好家なら誰もが試すべきだと考えるボトルの厳選ショートリストがまとまった。
Michter’s 20 years Kentucky Straight Bourbon(57.1% ABV、750ml、5500ドル[約85万7000円])
ポール・パキュルトは、Master of the Quaich(「Keepers of the Quaich」の中でも特に栄誉を称えられる限られたメンバー)であり、Bourbon Hall of Fame(バーボン殿堂)のメンバーでもある。米国で最も尊敬されるスピリッツ評価者の1人で、Spirit Journalの創設者だ。さらに、審査の現場に精通したプロの審査員であり、その採点システムは現代の米国スピリッツ批評の形成に影響を与えた。
Michter’s 20年について、彼はこう語る。
「間違いなく、2025年に私が試飲した中で最高のバーボンです……妖艶なブラックチェリーとマジパンの香りをたたえています」。
Knob Creek 21 years Kentucky Straight Bourbon(50% ABV、750ml、260ドル[約4万円])
ジャスティン・スタンプファーはマスター・オブ・ウイスキー(Master of Whiskey)で、オーク樽由来の影響や超長期熟成の米国産ウイスキーを深く分析する、感覚評価重視のウイスキー教育者として知られる。
彼はKnob Creek 21年をこう表現する。
「香りが素晴らしく、気品あるバーボンです。レザー、深いオーク、ダークトフィーの層がほどけるように広がり……由緒あるVan Winkle(ヴァン・ウィンクル)のラインに肩を並べます」。



