グーグルは、「新しく刺激的」であり、同時に「憂慮すべき」でもある“実験的”AI生産性エージェントの発表を行った。Gmailと関連アプリ(Google カレンダーやGoogle ドライブなど)の最新アップグレードだ。「整理状態を保ち、やるべきことを片付ける助けになる」よう設計されたという。だが、これを利用するには、グーグルに自分のあらゆるデータへのアクセスを認める必要がある。慎重に判断すべきだ。
「新機能『CC』は、Google Labsによる新しい実験的AI生産性エージェントです」とグーグルは米国時間12月16日に投稿した。Geminiで構築されているのは言うまでもない。「登録すると、Gmail、Google カレンダー、Google ドライブ、そしてより広いウェブに接続してあなたの1日を理解し、毎朝『Your Day Ahead』(今日の予定)というブリーフィング(要約)を受信トレイに届けます」。
🚨 NEW LABS EXPERIMENT 🚨
— Google Labs (@GoogleLabs) December 16, 2025
Introducing CC, an experimental AI productivity agent in Gmail. Get a “Your Day Ahead” briefing every morning in your inbox and email CC anytime for help.
Sign up for early access in the US & Canada. We’ll be starting with Google AI Ultra and paid… pic.twitter.com/xN3IjlBGaK
要するにこういうことだ。この毎日のブリーフィングは「あなたの予定、主要なタスク、更新情報を1つの明確な要約に統合し、請求書の支払いであれ、受診の準備であれ、次に何をすべきかが分かるようにします」という。Geminiがすでに数百万人のユーザーに対して行っていることを土台に、CCは「メールの下書きやカレンダーリンクの準備」もできる。さらに、「返信したり、カスタムの依頼を添えて直接メールしたりして」、CCに直接メッセージを送ることもできるという。
対象は米国およびカナダの18歳以上の個人向けアカウント
他のAIアップグレードと同様に、展開は当初ゆっくり始まり、その後に加速していく見通しだ。「CCはラボの初期実験であり、本日から早期アクセスとして提供を開始します。対象は米国およびカナダの18歳以上の個人向けグーグルアカウント利用者で、まずはGoogle AI Ultraと有料購読者からです」。
参加のためには順番待ちリストがある。グーグルは「CCはGoogle Labsが提供する独立した実験的サービスです」とし、「任意で提供するフィードバックを含め、CC内のあなたのデータはグーグルのプライバシーポリシーに従って処理されます」と説明している。もちろん読むべきだ。水面下では、ユーザーデータの収集と分析が相当に行われている。
プライバシーポリシーを読み、自分のデータがどう扱われるか確認すべき
プライバシーポリシーを“読むべきだ”とは言ったが、大半の人は読まないだろう。
これが本稿の核心の警告だ。これは、最新のきらびやかなAIツールの登場を告げるものだが、生成AIにおける新種の脆弱性「プロンプトインジェクション」に関する警告が出たのと同じ週の出来事でもある。どこまでが「やりすぎ」なのかを意識して決めない限り、AIはデバイスとデータ全体で、すぐに制御不能になりかねない。新しいサービスが提供されるたびに自問すべきだ。「これは必要か。実際に使うのか。そして、どんなプライバシーとセキュリティのトレードオフを受け入れているのか」。
Gmailの全ユーザーは慎重に判断しなければならない。



