リーダーシップ

2026.01.03 13:00

人格の理解が人材育成やキャリア成功の基盤となる理由

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組織はリーダーシップ開発のプログラムやコーチング、スキルアップの取り組みにかなりの資金を投じている。だがこうした投資にもかかわらず、多くの従業員は自己認識や協調性、リーダーシップの効果において測定可能な改善をほとんど示さない。問題は研修機会の不足ではない。そもそも人が学び、適応し、成長する要因を理解していないことにある。

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心理学者のマイケル・ウィルモット、ブレントン・ウィアニック、デニズ・オネスは6月に、111件のメタ分析と225万人以上の参加者データに基づいて、性格が仕事での成功に与える影響についてこれまでで最も包括的な検証結果を発表した。結論は単純明快だ。成功する方法を理解したいのなら、まず自分の性格を理解することから始めるといい、というものだ。

性格は業績や人間関係、リーダーシップ、学習、ウェルビーイング、さらには身体の健康にも影響することが研究結果で示されている。さらに重要なのは、性格が目標の追求方法や、成長過程に必ず伴う困難への対応方法を形成する点だ。性格を無視したキャリアなどの開発は不完全なだけでなく、効果的ではない。

性格は学びと成長に影響

大半の能力開発プログラムは、同じ研修を受ければ人は似たように変化すると暗黙のうちに想定している。だが性格に関する研究は逆の結果を示している。感情の調節方法や情報処理の仕方、目標の追求方法は人によって異なる。これらの違いは学習方法やフィードバックへの反応、そもそも何に気づくかにも影響する。

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心理学者はこれを「サイバネティック」プロセスと呼ぶ。性格は動機や注意、行動を導く自己調整システムとして機能する。例えば、 真面目な人は秩序を保ち、長期目標を遂行する傾向がある。新しいものに対して柔軟な姿勢の人は斬新さやアイデア、洞察を求める。情緒的に安定した人はストレス管理に長けており、プレッシャー下でも物事を客観的にとらえる。

これらの特性は、どの能力開発の経験が力となるか、あるいは消耗させるかを左右する。挑戦的な業務への反応、フィードバックを批判ととらえるか、それとも学びととらえるか、問題発生時の対応の仕方を形成する。この意味で自己認識は任意ではない。能力開発への入り口だ。

その証拠は明確に示されている。査読付き学術誌『Psychological Bulletin』に掲載された前述のメタ分析は、人格特性を14の生活成功の領域(個人のウェルビーイング、対人関係機能、組織内でのパフォーマンスなど)にマッピングしている。これら全領域において性格特性は有意な予測因子となる。

情緒の安定性は回復力やメンタルヘルス、プレッシャー管理能力を予測する。外向性は影響力やリーダーシップの発現と関連し、協調性は信頼や協働、対立解決を支える。オープンさは創造性や学習、適応力を促進する。これらのパターンは文化や年齢層、業界問わず当てはまる。また、不確実性の中でなぜ一部の従業員が活躍し、他の従業員は苦戦するのか、なぜ特定のチームが結束し他のチームは分裂するのか、リーダーシップの潜在能力がなぜ不均等に分布するのかも説明している。

もし能力開発が他の人との協働の効率向上を目的とするなら、これらの特性を理解することは不可欠だ。幸いにも、情緒の安定のような性格特性を育む習慣はある。性格は厳密には先天的なものではなく、生物学と各人の環境への反応の組み合わせだ。

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翻訳=溝口慈子

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