リーダーシップ

2026.01.03 13:00

人格の理解が人材育成やキャリア成功の基盤となる理由

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自分の性格を理解する方法

おそらくこの新しい研究から得られる最も重要な知見は、成功が1つの特性に頼ることは滅多にないということだ。むしろ、特性が相互に作用する組み合わせから生まれる。研究者らは10の性格プロファイルを特定し、それぞれが変革の主導、コミュニティの構築、業績推進、安定性の創出といった特定の成功パターンと関連付けられている。

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これらのプロファイルは、例えば極めて誠実な2人のリーダーがいるとして、一方が経験に対してオープンであるのに対し、他方がそうではない場合、成果は異なることを説明するのに役立つ。また、協働的な役割では優れた成果を上げるが自律性が増すと失敗する人と、新しいアイデアを簡単に考え出すが構造化には苦労する人との違いを明らかにする。

自己理解を深めたい人にとって、実用的な出発点は検証済みの評価を受けることだ。筆者が経営するDeeper Signals(ディーパー・シグナルズ)が提供する「Core Drivers」評価は、個人や組織にAIを活用した科学的なツールを提供しており、性格データを動機・行動・リーダーシップ・協働に関する洞察に変換する。個人が利用すれば自身の傾向を理解でき、チームが利用すればもっと効果的に協働する方法を理解できる。ビッグファイブ理論に基づく他の実証的性格診断には、NEO-PI-RやAssesio(アセッシオ)のMAPがある。これらの研究に基づいたツールは、個人の特性プロファイルの一層の理解を補完できる。

単一の次元で「高い」か「低い」かを知るよりも、自分という人間の構成を理解する方が実践的だ。それは、あなたの自然なパターンがどこで助けになり、どこで妨げになるかを示し、どの環境があなたの強みを増幅させ、どういった環境が埋め合わせの戦略を必要とするかを明らかにする。

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性格診断がキャリア形成にどう役立つか

懐疑的な人は性格診断をあまりにも単純あるいは決定論的だと一蹴することが多い。しかし適切に行われれば、それはまさに逆の効果をもたらす。違いを議論するための共通言語を提供し、成長目標を具体化し、摩擦が対立に発展する前に予見する手助けをする。

効果的な性格診断はパターンや微妙な違い、文脈に焦点を当てる。自力では見落としがちな盲点を浮き彫りにする。自身の行動が他の人に与える影響や他の人の行動がその人の性格パターンによってどのように形成されているかを示す。そして共感やコミュニケーション、信頼を向上させる。

この意味で、性格データは人を判断するためのものではない。理解するためのものだ。そして他の人を理解することは今やリーダーシップの重要な能力となっている。リモートワークや部門横断のチーム、絶え間ない変化が特徴の世界では、人を理解し、多様なスタイルに適応し、強固な関係を築けるリーダーが直感だけに頼る人より優れた成果を上げる。

前述の研究は昔から変わらない真理を思い出させる。それは、人は他人になることで成長するのではなく、より良い自分になることで成長するということだ。性格は運命づけるものではないが、成長と成功に向けた道筋を形作る。

この真理を理解する人は性格に逆らうのではなく、性格に沿ったキャリアを築く。この真理を理解するチームはより深い共感をもって効果的に協働する。この真理を理解するリーダーは役割ではなく個人に合った成長機会を創出する。

組織が人材の成長を望むなら、まず従業員が自分を理解する手助けをしなければならない。そして人が成長を望むなら、自分と周囲の人々を理解するために投資しなければならない。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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