テクノロジー

2025.12.26 08:00

AIエージェントが牽引、2026年に企業を変革する8つの「テクノロジートレンド」

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4. 量子コンピューティング

2026年、企業にとっての量子コンピューティングの重要性には2つの側面がある。第一に、金融、物流、創薬研究などの分野で、従来のコンピューターでは現実的に解くことが不可能だった複雑な計算を解決し、新たな効率化やブレークスルーをもたらす可能性である。

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第二に、量子コンピューティングが持つ潜在的な脅威や革新に備えなければならないという課題がある。量子技術は、情報や通信の安全性を支える暗号化標準に脅威を与える。そのため、2026年は耐量子暗号化に移行するための計画を策定するタイムリミットであり、これは来年における戦略的優先事項となるだろう。

5. ゼロトラスト・エッジ

このトレンドは、スマートで接続されたIoT機器の増加と、リモートおよびハイブリッド勤務など、働き方の変化の双方によって加速している。ゼロトラスト・エッジ(ZTE)とは、産業用機械からスマートフォンに至るまで、エッジデバイス自体にセキュリティ機能を組み込み、それらをクラウドプラットフォームを通じて一貫して管理するという概念である。

組織の72%がゼロトラストのフレームワークを採用、または採用予定とされており、データが生成・アクセスされる地点で直接、本人確認とアクセス権を検証することが焦点となる。2026年には、エンドポイント間における攻撃のリスクを最小化しつつ、リアルタイムの防御を提供することが求められる。

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6. エクステンデッド・リアリティ

エクステンデッド・リアリティ(XR)とは、仮想現実や拡張現実などの技術の総称である。数年間にわたり企業による導入フェーズの間近で進展してきたXRは、2026年には本格的に主流技術の地位を獲得すると予測されている。

ヘッドセットは小型化・軽量化・高性能化が進み、新たなスマートグラスの登場も相まって、XR市場は2036年までに3800億ドル(約59兆1100億円)規模に達するとの予測だ。没入型のトレーニング、遠隔の専門サービス提供支援、作業中のハンズフリーな情報アクセス、危険な環境におけるリアルタイムの警告など、企業による用途が拡大している。

7. サステナブル・テクノロジー

今年、企業のテクノロジー戦略に持続可能性を組み込むことは、EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の施行により、多くの企業にとって規制上の要件となった。2026年1月から、すべての大企業は環境への影響と改善に向けた取り組みを詳細に記したサステナビリティ報告書を作成しなければならない。

企業はこれに対応するため、炭素効率を高めるグリーン・ソフトウエア・エンジニアリングの原則を採用し、AIを用いた企業活動の監視を進めている。2026年の戦略は「設計段階からのグリーン化」であり、持続可能性が企業のDNAに組み込まれることを意味する。

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翻訳=江津拓哉

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