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2025.12.26 08:00

AIエージェントが牽引、2026年に企業を変革する8つの「テクノロジートレンド」

Shutterstock.com

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企業のリーダーがこれから迎える2026年は、新たな現実が形づくられる年になる。

AIエージェントが業務フロー全体を自動化し、業界特化型のクラウドプラットフォームが競争優位を定義し、量子コンピューティングの脅威が理論の段階から計画の対象へと移行する。これらの技術は企業戦略の基盤を作り替え、市場が過密化する中で存在感を保ちたいと願うすべての組織の緊張感を高めている。2026年は、誇張された宣伝文句から、実践的な価値の創出へと舵を切った企業が報われる年になるだろう。

本稿では、2026年を特徴づけると私が考える8つのテクノロジーを紹介する。いずれも、単なる大げさな宣伝文句ではなく、実際の成長をもたらすものに焦点を当てている。誰が先行者となり、誰が後発組となるか、今後1年で命運が分かれることになるだろう。

1. エージェンティック・プラットフォーム

チャットボットの時代は終わりを告げた。企業向けAIにおける次の進化は「エージェント」だ。2026年は、その飛躍の年になるだろう。エージェントは、単に質問に答えたりコンテンツを生成したりするだけでなく、複雑で多段階のプロセスを実行し、外部サービスとも連携できる。

常時稼働する仮想の同僚や、リアルタイムでプロセスを監視・調整するアシスタント、最小限の人手で完結するエンドツーエンドの自動化ワークフローを想像してみよう。これらのプラットフォームは、ローコードもしくはノーコードのインターフェースを通じて大規模なディプロイメントを可能にすると同時に、自律的な行動に伴うコンプライアンス、倫理、ガバナンスの管理も担う。

2. 生成AIコパイロット

生成AIは、企業内での実証段階から運用段階へと急速に移行し、知識労働者たちのワークフローを変革している。ソフトウエアエンジニアによるコード生成、法務部門による契約書の草案作成、プロジェクトマネージャーによるスケジュールや行動計画の策定などがその例だ。人間を置き換えるのではなく、人間の能力を拡張することがその目的である。

実際、IDCは、2026年までに企業向け職場アプリケーションの80%にAIコパイロット(副操縦士)が組み込まれ、より賢く、より効率的な働き方を支援すると予測している。

3. 業界特化型のクラウドプラットフォーム

企業は汎用的なクラウドプラットフォームから脱却し、インフラ、アプリケーション、データを包括する垂直統合型の業界特化型クラウドプラットフォーム(ICP)の採用を進めている。

グーグルやマイクロソフトといった主要なクラウド事業者は、医療、科学、金融などの分野向けに、事前に構築されたデータモデルやコンプライアンス設定を備えたプラットフォームを提供している。ガートナーは、2026年末までに企業の70%がICPを利用すると予測しており、これは2023年時点の15%未満から大幅な増加となる。

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翻訳=江津拓哉

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