北米

2025.12.18 09:00

トランプがベネズエラのタンカー出入国「封鎖」を発表、ブレント原油は約2%上昇

Anna Moneymaker/Getty Images

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ドナルド・トランプ大統領が、ベネズエラに出入りするすべての「制裁対象の石油タンカー」に対する封鎖を命じたことを受け、米国時間12月17日、世界の原油価格は2%を超えて急騰した。

世界的な指標であるブレント原油先物は、17日朝の取引で1バレルあたり60.29ドルまで上昇し、約2.3%の上昇となった。

米国の指標であるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物も、16日以降で2.37%上昇し、1バレルあたり56.59ドルとなった。

この急騰は、投資家の間でロシアとウクライナの和平交渉への期待や、モスクワに対する制裁緩和の可能性をめぐる楽観論が広がる中、ブレント原油先物が5月以来初めて60ドルを下回った翌日に起きた。この下落は、供給過剰も要因の1つとされていた。

トランプは16日、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、ベネズエラに出入りするすべての制裁対象のタンカーに対し、「完全かつ全面的な封鎖」を命じたと発表した。トランプは投稿の中で、ベネズエラは「南米史上最大規模の艦隊によって完全に包囲されている」と警告した。

さらにトランプは、「ベネズエラ政権」を外国テロ組織に指定すると述べ、ニコラス・マドゥロ率いる政府は「正当性を欠く」と宣言した。また、ベネズエラ産の石油が「麻薬テロ、人身売買、殺人、誘拐」に使われているとも主張した。トランプは、この封鎖は、ベネズエラが「過去に我々から盗んだ石油、土地、その他の資産」を返還するまで継続すると述べたが、どの「盗まれた」石油や土地を指しているのかは不明である。

今回のベネズエラに対する封鎖措置は、トランプ政権がカリブ海および太平洋地域で、麻薬船とされる船舶に対して複数回の攻撃を実施してから数カ月後に行われた。この作戦では10隻以上の船舶が標的とされており、論争を呼ぶとともに、特に民主党を中心とする議員から反発を受けてきた。

先日、米軍はベネズエラ沖で石油タンカーを拿捕し、作戦を拡大した。ホワイトハウスはその後、拿捕されたタンカーは制裁対象の船舶であり、イランに石油を輸送していたと主張している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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