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2025.12.26 16:00

PEUGEOT 3008と、銘酒IWAが生まれる富山を探訪 ―― Executive Car Club Vol.1 Report ――

雄大な連峰を望む富山・立山に、一軒の酒蔵がある。ドン ペリニヨンで28年間醸造最高責任者(マスターブレンダー)を務めたリシャール・ジョフロワが、日本酒の世界に飛び込んで立ち上げたブランド「IWA」の拠点だ。

Forbes JAPANの新プロジェクト「Executive Car Club」は、その聖地をPEUGEOT(プジョー)の新型SUV「3008」で訪ねる旅となった。フランス生まれの車と酒が、なぜ富山で交わるのか。その一日を追う。


Forbes JAPANが創設した「Executive Car Club」は、車を起点に知と感性が交わる新しいコミュニティだ。今回集ったのは読者や「カルチャープレナー」アワード受賞者など、ビジネスと文化の最前線を走る8名のリーダーたち。経営者からエンジニア、文化人など多彩なバックグラウンドを持つメンバーが揃った。彼らが実際にハンドルを握り、土地の文化に触れながら、優れた感性で会話を繰り広げ、モビリティへの理解を深めていく。

記念すべき第一弾のパートナーに選ばれたのが、プジョーだ。

1810年にプジョー兄弟が創業。コーヒー・胡椒挽きなどの鉄製ミル製品から始まり、自転車から自動車へ。200年以上にわたって人々の興味を喚起する「道具」をつくり続けてきたフランスの老舗。そのプジョーが電動化時代のフラッグシップとして送り出したのが、新型3008だ。3008は「ファストバックSUV」と呼ばれるジャンルに属し、SUVの実用性と、クーペのような流麗なシルエットが特徴だ。

自動車業界は、ハイブリッド車も含む電気を活用した車両の発展が著しい電動化の激変期にある。その中にあっても、プジョーは「ドライビング・センセーション」をブランドの軸に据え続け、運転する感覚そのものを大切にする姿勢が、このプロジェクトの思想と重なったのだろう。

行き先はIWAの酒蔵。シャンパーニュの頂点を極めた醸造家が、富山の地に惚れ込んで始めた挑戦の場所だ。フランスと日本、伝統と革新。その交差点をプジョー3008で走る一日が、ここから始まる。

富山駅からIWAへ。立山を巡る試乗がはじまる

12月の富山駅。改札を出ると、空気がひんやりしていた。曇り空の向こうに立山連峰がうっすら見える。今日はあの山のふもとまで走ることになる。

参加者は交代でハンドルを握りながら、雄山神社、川原製作所を経由して、IWAの酒蔵を目指す。約60kmの道のりだ。

運転席に座って最初に思ったのは「ハンドル、小さいな」だった。
プジョーには「i-Cockpit」という独自の設計思想がある。ステアリングを小さくして、その上からメーターを覗き込む配置だ。初見では少し戸惑うが、走り出して5分もするとその心配は消えた。小さいからこそ、手首の動きだけでスッと曲がれる。これは長距離でも疲れにくそうだ。

プジョー3008は独自の小径ステアリングと21インチパノラミックカーブドディスプレイを組み合わせた「i-Cockpit」が特徴的
プジョー3008は独自の小径ステアリングと21インチパノラミックカーブドディスプレイを組み合わせた「i-Cockpit」が特徴的

参加者の一人、京藍染師の松崎陸も同じことを感じたらしい。

「最初は敏感すぎるんじゃないかって心配したんですよ。でも全然。驚くほどスムーズで、手も疲れにくい」

「本当に良い道具って、身体に自然と馴染むものなんですよね。この車には、その『身体性』を感じました」

伝統工芸の職人に「良い道具」と言わしめるのは、なかなかのことだと思う。

立山の山道に入ると車内の静けさが際立ってくる。
ハイブリッドシステムのおかげで低速域ではエンジン音がほとんど聞こえない。落ち着いて同乗者との会話を楽しめる。

建築家で陶芸家でもある奈良祐希は、運転を終えて面白い表現をした。

「『動』じゃなくて『静』の車ですね。茶室みたいな感じ。自分を見つめ直す時間をくれる」

茶室。言われてみれば確かにそうかもしれない。ダッシュボードにはファブリック素材が使われていて、どこか温かみがある。

途中、雄山神社に立ち寄った。立山信仰の中心地で、創建は1300年前の歴史を持つ。境内には樹齢500年を超える杉の巨木がそびえる。立山信仰では、山そのものが神であり、自然のすべてに霊性が宿ると考えられてきた。この杉並木もまた、信仰の対象として守られてきた森の一部だ。何世代にもわたって見守られてきた木々。その時間の重みが、歩いているだけで伝わってくる。

説明されなくてもわかる価値というのは、確かにあるのだろう。3008もそういう車なのかもしれない、とふと思った。

続いて、越中和紙の川原製作所へ訪れた。和紙職人の川原隆邦は原料の栽培から手がけ、大阪・関西万博の迎賓館に作品が採用された職人だ。400年以上続く蛭谷(びるだん)和紙の伝統的な工法を受け継ぎながら、新しい表現を探し続けている。

変わらないために、変わり続ける。この日、何度も出会うことになるテーマが、ここにもあった。

3008は最高速度を誇る車ではない。立ち上がりの小気味よさに全振りといってもいいチューニングだ。

そして、だからこそ得られるものがある。景色をちゃんと見る余裕。同乗者と会話を楽しむゆとり。歴史の奥行きに触れた、その感動をゆっくり噛み締める時間が生まれる。そうして、移動が「移動」で終わらず、心身で堪能する時(とき)がつくられる。

IWAの酒蔵が近づいてきた。隈研吾が設計した建物が、山あいに溶け込むように建っている。

アッサンブラージュという共通言語

IWAからは共同創業者でCEOのシャルル・アントワン・ピカール(通称チャーリー)が登壇。プジョー担当者と向かい合う形で、ものづくりの哲学を語り合った。
IWAの酒造りを特徴づけるのは「アッサンブラージュ」という手法だ。産地や品種の異なる米、複数の酵母、熟成期間の違う原酒を組み合わせて、ひとつの酒を仕立てる。ワインやシャンパンでは一般的だが、日本酒の世界では珍しいという。

「複数の原酒をブレンドするのは、その味わいを調整することにとどまりません。私たちが設計しているのは『体験』。どんな料理と合わせるか、どんな空間で飲むか、誰と過ごすか。そこから逆算して酒を造っています。だから私たちは『酒を売っている』のではなく、『時間を設計している』という感覚でいます」

「時間を設計する」。詩的な表現だけれど、IWAの酒は複雑な味わいがバランスよく一体となり、深い余韻が残る。お酒を飲むという行為を超えた、一つの体験だといえるからだ。

プジョー担当者も、この考え方に深く共鳴したようだった。

「3008も技術と感性のアッサンブラージュです。私たちはこの車を『熟成』という言葉で表現しています。200年の歴史があるからこそ、新しいテクノロジーを詰め込んでも、どこか角が取れている。あえて低中速域に設計を振り、日常の運転で心地よさを感じられることを優先しました。スペックの数値では語れない価値。乗って『これだ』と感じていただくーその体験こそが勝負です」

自動車産業の中でも最古参に分類されるメーカーが、200年以上の時間をかけて磨いてきたのは、技術だけではない。人が車に乗るとはどういうことか、移動する時間をどう豊かにできるか。その問いに向き合い続けてきた蓄積がある。

さらに興味深かったのは、両者が「引き算」の話をしたことだ。

チャーリーはこう言った。「IWAは主張の強い酒ではありません。料理を邪魔せずに存在感と調和を両立させる。そんなお酒は、限られた作り手しか作ることができないものです」

プジョーもその言葉に呼応する。「3008も同じです。派手な演出や過剰な装備で驚かせるのではなく、乗る人が自然体でいられることを目指しました。主張しないことの強さ、というのでしょうか」

足し算ではなく、引き算。声高に語らず、使う人の感性に委ねる。

川原製作所で感じた「変わらないために、変わり続ける」というテーマが、ここでも響いている。IWAは日本酒の伝統を守りながら、アッサンブラージュという新しい手法を取り入れた。プジョーは200年の歴史を背負いながら、電動化時代に「走る喜び」を再定義しようとしている。どちらも、本質を守るために変化を恐れない。

IWAもプジョーも、日常を体験に変えようとしている。酒を飲むこと、車で移動すること。その当たり前の行為を、ひとつの豊かな体験へと昇華させる。その設計思想が、両者をつないでいたのだと思う。

参加者たちも、それぞれの言葉で反応していた。

CACL代表の奥山純一はこう語った。

「伝統を継承しながら、ゴールに向けて要素をミックスさせていく。IWAの製法に感動しながら、今日乗った車にも同じものを感じました。長い歴史があるからこそ、新しい技術を違和感なく取り込める。その『混ざり合い』の美学に共感しました」

インサイドセールスプラス代表の茂野明彦は、少し違う角度から感想を述べていた。

「1.2リッターとは思えないパワフルな走りでした。でもそれ以上に印象的だったのは、一口の中で変化していくIWAの味わいと、走るほどに馴染んでいく3008の操作感が、どこか似ていたこと。どちらも『体験の設計』が緻密なんだと思います」

トークセッションと並行して、ペアリングディナーも振る舞われた。地元のシェフが腕を振るった料理が次々と運ばれてくる。

ビーツのガスパチョ、ヒラソウダガツオのセビーチェ、熟成鰆の炭火焼き、池多牛のリブロース。富山の食材を活かしたコースに、IWA 5の異なるアッサンブラージュが合わせられていく。

熟成されたものづくりは、派手に主張しない。けれど、わかる人にはわかる。その価値に気づけるかどうかは、乗る側、飲む側の感性にかかっている。

Executive Car Clubは、そんな「気づける人」たちが集まる場所になっていくだろう。車を通じて土地の文化に触れ、感性に刺激を受けて、語り合い、気づく。

第一章の富山で見えたのは、熟成されたものの価値を見抜き、自ら選び取ることで生まれる豊かな時間だった。

チャーリーが見つけた「フレンチ・カリスマ」

トークセッションの合間、チャーリーが3008を運転する機会があった。彼の感想が面白かった。

「完成度が高いですね」

開口一番、そう言った。さまざまなアイデアを詰め込んでいるのに、「遊んでる」感じがしない。ちゃんと着地している、と。

スムースレザー、スウェード、ファブリックを切り替えたシート。ステッチのデザインも凝っている。
スムースレザー、スウェード、ファブリックを切り替えたシート。ステッチのデザインも凝っている。
包み込むようなアンビエントライト。スポーツモードでは赤く高揚感のある色使いに変化。
包み込むようなアンビエントライト。スポーツモードでは赤く高揚感のある色使いに変化。

彼が3008を気に入った理由は、デザインだけではないらしい。「主導権」の感覚だ、と言う。

「最近の車って、勝手にいろいろ決めてくる感じがありますよね。私の車も、代わりに決めてくれることが多い。でも3008は違う。ドライバーを優先してる。私が決める、という感覚があるんです」

そして、こう続けた。

「我々IWAも、アッサンブラージュする日本酒だからこそ『設計』という言葉が使えるんです。どんな香りが来て、どんな後味になるか。ユーザーの体験を考えて、そこから逆算してつくる。そして押しつけない。
プジョー3008のエンジニアも、同じことを考えてることが走りながら伝わってきます」

PEUGEOT 3008 GT HYBRID

パワートレイン:1.2L ガソリン直噴ターボ +48Vマイルドハイブリッド 
最高出力:100kW (136ps)/5,500rpm
最大トルク:230Nm/1,750rpm
燃費:WLTCモード 19.4km/L
サイズ:全長 4,565mm 全幅 1,895mm 全高 1,665mm
車両重量:1,620kg
車両本体価格:5,730,000円

PEUGEOT 3008 公式サイト

Promoted by Peugeot / Photographs by Naoto Hayasaka, Reo Bannai / Text by Tsuzumi Aoyama