赤色矮星の周囲で知的生命体が進化するのは、酸素発生型光合成を活発化させるために満たさなければならない条件のせいで、極めて困難な道のりになる可能性が高い。このことは、スペクトル型がM型である赤色矮星は宇宙の恒星の中では群を抜いて最も多く存在することを考えると、太陽系がある天の川銀河(銀河系)とその先の宇宙における知的生命体の存在確率に対する決定的な制限要因となるかもしれない。
こう主張するのは、光合成の研究を専門とする英ロンドン大学クイーンメアリー校の世界的な理論生物物理学者のクリス・ダフィーだ。ダフィーは地球上の光合成と、銀河系全体に存在する太陽系外惑星で光合成が進化する可能性について研究している。
M型矮星を公転する惑星での酸素発生型光合成は、可視光の光度が低いため、はるかに難しいだろうと、ダフィーは取材に応じた電子メールで述べている。ここでは日光が燦々と降り注いでいても、十分に日差しが遮られた日よけの下にいるように感じられるだろうと、ダフィーは表現する。これにより生命は、シアノバクテリアのような酸素を産生する単細胞生物に限られることになるかもしれないと、ダフィーは続けている。
最も単純なシアノバクテリアから樹木の中で最も背が高いセコイアまでのあらゆる生物は、光合成を行うことで太陽からエネルギーを得て、バイオマス(生物量)を増大させることができる。地球では、光合成のほとんどは電磁スペクトルの波長域400~800nm(1nmは10億分の1m)の可視光領域に最適化されている。
地球の酸素発生型光合成は、4つの可視光子を使って1つの酸素分子を生成する極めて複雑な反応系を用いる。酸素発生型光合成では、水(H2O)から電子と水素イオンを取り出し、それらを二酸化炭素分子(CO2)に与えて、ブドウ糖(C6H12O6)を生成する。
酸素の増加
ダフィーによると、地球では酸素発生型光合成が酸素に富む大気をもたらした結果、酸素呼吸が可能になった。地球の多細胞生物が進化したのは、初期のシアノバクテリアが大気中の酸素濃度を上昇させた後だが、これが前提条件の1つだったかどうかについては不明だという。



