宇宙

2026.01.04 10:00

赤色矮星系の生命、光合成が複雑化の制限要因に 理論生物物理学者が指摘

南米ペルーのアマゾン熱帯雨林(USDA Forest Service)

だが、酸素に富む大気は、酸素呼吸の促進に必要となるエネルギー利用面での大きな利点を惑星大気にもたらしている。人間にとって生命維持に不可欠な酸素呼吸は、生体の細胞がブドウ糖などの糖と酸素を生体が利用できるエネルギーに変換する仕組みのことだ。このエネルギーの大半は、エネルギー運搬分子のATP(アデノシン3リン酸)の形をとり、ATPから細胞機能に供給される。

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酸素呼吸はこれにより、多細胞生物そして最終的には知的生命体の非常に高いエネルギー需要に応じることができると、ダフィーは説明した。


地球における生命の急増

単細胞の独立栄養生物(無機物から自身の食物を作り出す生物)は、地球上では表面が固化するとすぐに進化したようだ。鍵を握るのは、光エネルギーを取り入れるアンテナだ。

ダフィーによると、光合成生物はすべてアンテナを持っている。アンテナは色素結合タンパク質の巨大な複合体で、広い面積と波長域にわたって光を吸収する。アンテナはこの光エネルギーを反応中心と呼ばれる特殊なタンパク質複合体に送り込む。反応中心では初期の光合成反応が起きるという。

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光子吸収色素

ダフィーによると、光合成の一次反応は光子の吸収によるクロロフィル分子からの電子の移動だ。進化が編み出した仕組みは、この反応をすべてのクロロフィルに行わせるのではなく、クロロフィル(や他の色素)の大多数は単に光子を吸収してエネルギーをクロロフィル分子間で伝達するだけで、最終的にこのエネルギーが到達するごく一部のクロロフィルでこの反応を行うというものだ。

皮肉なことに、光合成生物は可視光を利用するが、紫外光による光化学的損傷の受けやすさは他の生物とほぼ変わらない。その理由は、紫外光が生物のDNAやタンパク質に細胞の損傷を引き起こす可能性があるからだ。

水は紫外光に対してかなり高い不透明度を持つため、この問題は主に地表で発生すると、ダフィーは指摘する。そのため、植物(およびすべての表層生物)は紫外線防御機構を有しているという。典型的な紫外線防御機構としては、カロチノイドのような赤・橙・黄色の色素やフラボノイド色素がある。これらの色素は青色光と紫外光を吸収し、そのエネルギーを速やかに無害な形で熱として放散すると、ダフィーは説明した。

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翻訳=河原稔

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