映画

2025.12.24 08:30

「子ども向けが少ない」庵野秀明・山崎貴が抱く危機感と日本発エンタメ・文化の未来

庵野秀明(写真右)・ 山崎 貴(同左)

庵野:なるべく延命治療ではなくて、ちゃんと生まれ変わりに。そもそもものすごく力があったものだということを証明したい。自分たちが子どものころにそういう思いをしているので、つなげていきたいです。

advertisement

山崎:僕は、やはり極力大きな作品が好きなんですよね。見たことのないようなものをつくりたい。驚くようなものを作りたいというモチベーションが根底にあるので。同時に劇場で観てもらえるようなもの、となるとスペクタクルなものになってくる。でもひとつ、死にかけのおじいさんと犬の原作の話があって、すごくいい話で、いつかやりたいと思っています。時間もないし、結局やらないような気もしますが。

庵野:犬はCG?それとも実際の?

山崎:実際の。

advertisement

庵野:言うこと聞かないかもですよ(笑)。

山崎:それがいいんですよ。猫よりは聞くでしょう。

庵野:まあ、猫よりはね。

山崎:保護犬の現実を知ってもらうような映画。誰も観に行かなさそうだけど。

庵野:ところでスーパーマンの犬ってCGなの?

山崎:いや、かなり実写使ってるって言ってた。

庵野:やっぱり。

山崎:CGも使っているけど、ものすごく研究したらしいんですよね。ジェームズ・ガン監督の家にいる犬がモデルになっていて。それをみんなでビデオで撮って。こういうことをすると言うことを聞かない犬っぽさが出るんだ、ということを研究して。

庵野:なるほど。いや、あの犬は良かったです。

山崎:ほぼ、犬の映画だね、あれね。でもこれからスーパーガールで売っていくから。次作はスーパーガールと犬がどうなるか、という。

庵野:うーん。あの犬さえいれば大丈夫。スーパードックが良かった。あれ、ちゃんとしたフィギュアがなくて、適当なぬいぐるみみたいなのしかないんだよね。フィギュアがあったら、久しぶりに買いたいと思ったんだけど(笑)。


庵野秀明◎監督、プロデューサー。1960年生まれ。山口県宇部市出身。カラー代表取締役、プロダクション・アイジー社外取締役。88年『トップをねらえ!』で監督デビュー。国内外で熱烈なファンをもつ代表作『エヴァンゲリオン』シリーズ(1995年〜)は今年30周年を迎え、映画興行収入やメディアミックスによる関連市場は数千億円規模といわれ、日本IPビジネスの金字塔に。日本で12年ぶりに製作されたゴジラシリーズ『シン・ゴジラ』(2016 年)で日本SF大賞・特別賞を受賞。

山崎貴◎映画監督、脚本家、VFX製作者。1964年生まれ。長野県松本市出身。総合映像制作プロダクション白組所属。2000年『ジュブナイル』で監督デビュー。『ゴジラ-1.0』(23年)は高いVFXの技術と人間ドラマが国内外で話題となり、同年第96回アカデミー賞®️でアジア映画として初の視覚効果賞を受賞。北米での最終興行収入は5600万ドルを超え、北米で公開された邦画実写作品の興行収入記録歴代1位に。

構成・文=岩坪文子 写真=ヤン・ブース ヘアメイク=大谷亮治、楢林未奈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事