マーケティング責任者(CMO)の大多数は、AIが今後2年間で大きな投資対効果(ROI)をもたらすと予測しているが、同時にこの技術の影響を測定し、責任を持って使用することの難しさも認識している。
フォーブス・リサーチの2025年AI調査で調査対象となったCMOのうち、AIツール導入後に少なくとも10%のROIを達成したと報告したのはわずか2%だったが、53%が2年間の期間でそのレベルのリターンを達成すると予測している。
CMOの大多数は、この調査で12の顧客体験向上戦略全体にわたって高いまたは非常に高いROIを達成していると報告した。この調査は8月と9月に、年間売上高10億ドル以上のグローバル企業から1,075人のC層幹部(215人のCMOを含む)を対象に実施された。
それでも、ROIの測定は今後2年間でAIを採用する際の上位3つの課題の一つとして挙げられ、CMOの41%がこれを指摘した。自社の上級幹部がROI測定の課題を理解していると考えているのは44%にとどまった。
AI採用における最大の課題として、マーケティングリーダーの約3分の2(67%)がデータプライバシーとセキュリティの懸念を挙げた。CMOの約4分の3(72%)は、自社がAIデータガバナンスに責任あるアプローチをとっていることに自信を持っている。しかし、データの品質、プライバシー、セキュリティを確保するための堅牢なデータガバナンス慣行が整っていると感じているのは57%にとどまる。
CMOはまた、AIがもたらす課題が最高レベルでの協調的な対応によって正面から取り組まれるという自信も持っており、4分の3以上(78%)が自社のC層幹部はAI戦略の設定に協力して取り組んでいると回答している。
CMOにビジネスやマーケティング業務を最適化するためにAI技術をどのように活用しているかを尋ねたところ、最も多かった回答(76%)は、営業とサービス全体でAIを活用した顧客インサイトを活用することだった。AI調査では、予測分析(72%)と広告・メディア戦略の最適化(71%)が続いた。半数強(56%)が、革新的なコンテンツを生み出すためにAIと人間のクリエイターの間のコラボレーションを促進する自社の能力に自信を示した。
しかし、マーケティング部門は意思決定や革新におけるAIツールの活用において他の部門に遅れをとっており、CMOの5人に1人強(22%)がこれを上位3つの選択肢に挙げるにとどまっている。これは、マーケティングリーダーがAIを活用した変革を実現するためにまだ取り組んでいることを示唆している。



