北米

2025.12.17 15:30

50年の歴史に幕を下ろす、現役最古の米原子力空母ニミッツ 最後の帰港

就役50年を迎えた原子力空母、USSニミッツ(Kevin Carter/Getty Images)

メディアスターとしての一面

USSニミッツは3度にわたりメディアに取り上げられる機会があった。

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最初は1980年のSF歴史ドラマ『ファイナル・カウントダウン』で、この同艦が1941年12月6日にタイムスリップするという内容だった。この映画は米海軍と米国防総省の協力を得て製作された。批評家の評価は分かれたものの、興行的には適度な成功を収めた。この映画はF-14トムキャットがスクリーンデビューを果たしたことでも注目され、シドラ湾事件の1年前に「撃墜」を記録したとも言える。

2005年、ニミッツが就役30年を迎えた際、撮影クルーは艦上での生活を詳細に描いたPBSドキュメンタリー『キャリア』のために、展開期間全体を艦上で過ごした。

ニミッツはまた、リトル・マンモス・メディアの子供向け教育シリーズ『ビッグ・アドベンチャー・シリーズ』のエピソードの焦点にもなった。『ザ・ビッグ・エアクラフト・キャリア』は空母の仕組みについての洞察を提供した。

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現役最古の米原子力空母ニミッツ(Shutterstock.com)
現役最古の米原子力空母ニミッツ(Shutterstock.com)

近づく終わり

USSニミッツはワシントン州ブレマートンから最後の出港を行い、ノーフォーク海軍基地への旅に出る。そこで正式に退役し、リサイクル作業が続けられる予定だ。

原子炉を搭載しているため、USSニミッツやニミッツ級空母を博物館艦として保存することはできない。また、同艦を一般公開することで機密漏えいの懸念もあるだろう。

代わりに、今後10年をかけてUSSニミッツは解体され、この超大型空母の終焉を迎えることになる。

「ニミッツ艦隊提督とこのすばらしい艦は、制御された強さが平和の確かな保証人であることを私たちに教えてくれる。私たち全員が、特にこれから米国艦ニミッツに乗り込む者たちが、この原則と我が国とその国民への惜しみない奉仕に自らを再度捧げようではないか」とフォード大統領は50年前に述べた。

forbes.com 原文

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