北米

2025.12.17 15:30

50年の歴史に幕を下ろす、現役最古の米原子力空母ニミッツ 最後の帰港

就役50年を迎えた原子力空母、USSニミッツ(Kevin Carter/Getty Images)

就役50年を迎えた原子力空母、USSニミッツ(Kevin Carter/Getty Images)

米海軍最古の現役原子力空母の最終展開が終了する。USSニミッツ(CVN-68)は米国時間12月16日、ワシントン州ブレマートンのキトサップ海軍基地に到着する見込みだ。この空母は今月初めサンディエゴに寄港した。サンディエゴは2001年11月から2012年3月までの11年間、この超大型空母の母港だった。

ニミッツはサンディエゴのノースアイランド海軍航空基地から、対テロ世界戦争中のアフガニスタンとイラクでの戦闘作戦を支援した。同艦は2025年3月にも出港し、最終展開が始まった。第二次世界大戦の米海軍提督チェスター・ニミッツにちなんで命名された同艦は今年、就役50年を迎えている。

50年間の稼働

米海軍の通常動力型であるキティホーク級を補完するために開発された新しい原子力空母クラスの先導艦であるUSSニミッツは、当時のジェラルド・R・フォード大統領によって就役した。

「米国艦ニミッツがその旗を掲げるところはどこであれ、我々が今見るように、米国の強さと米国の決意の堅固な象徴として見られるだろう。米国製で米国人が操艦するものとして」とフォード大統領は就役式で述べている。

その決意が最初に示されたのは、1980年4月のオペレーション・イブニング・ライト(イーグルクロー作戦としても知られる)、失敗に終わったテヘラン駐米国大使館人質救出作戦の任務だった。その約1年後、USSニミッツはシドラ湾事件に関与した。1981年8月19日、2機の米国グラマンF-14Aトムキャットが、同艦がリビアの指導者ムアマル・カダフィが北アフリカの国の領海と主張する水域に入った後、2機のリビアのスホーイSu-22M3フィッターG機を撃墜した。この事件は、名高いF-14が関与した最初の戦闘作戦でもあった。

1980年代を通じて、ニミッツは定期的に世界中へと展開された。1988年、USSニミッツはソウルオリンピック大会中に韓国沖で警備を行った。1995年には、中国との対立で緊張した、台湾沖に展開された。

1998年から2001年の燃料補給と複合オーバーホールの後、この超大型空母はバージニア州ノーフォーク海軍基地から出発し、世界一周展開に参加した。2003年、11回目の作戦展開中、同艦はイラクの自由作戦に参加し、作戦を支援するためイラクとアフガニスタン上空に第11空母航空団の航空機を発進させた。

最終展開も事故なしではなかった。

10月の南シナ海での作戦中、30分の間隔で2機の航空機が壊滅的な事故に遭った。○ボーイングF/A-18Fスーパーホーネット多目的戦闘機とシコルスキーMH-60Rシーホークヘリコプターが「通常作戦」中に墜落した。2人乗りのスーパーホーネットのパイロットと兵装システム士官は無事に脱出し、ヘリコプターの乗員5名全員も無事に救助された。

これらの航空機は今月初めに回収されている。

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