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2025.12.17 15:00

マイクロソフト、「Chromeのダウンロード阻止」を狙う──Windows上で新キャンペーン

Ascannio / Shutterstock

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マイクロソフトの新たなキャンペーンがまた始まった。「マイクロソフトは、ユーザーがグーグルのChromeをダウンロードしないようにする新たな方法を試しています」との報告がなされた。こうした光景はこれまでも見てきた。マイクロソフトもアップルもユーザーを自社のウォールドガーデン(囲い込み型エコシステム)の中にとどめようと必死だ。すなわちMicrosoft EdgeやSafariを使わせようとしている。

Windows Reportによると、EdgeでChromeのダウンロードページを開くと、ページ上部に新しいバナーが表示されることがあるという。従来のようにEdge対Chromeの比較を提示するだけではなく、「マイクロソフトは今、保護という点に焦点を当てています」と表示されることがあるのだ。

マイクロソフトは以前からこのテーマを扱ってきたが、今回はプライバシー、トラッキング(行動追跡)、フィンガープリンティング(ブラウザー追跡)をめぐる議論を前面に押し出した。これは、アップルによるSafari対Chromeキャンペーンの中心的な論点でもある。今回の最新キャンペーンでは、マイクロソフトはEdgeを「プライベートブラウジング、パスワード監視、オンライン上の脅威からの保護といった機能を備えたオールインワンの選択肢」と位置づけている。

興味深いのは、これまでと異なる点だ。マイクロソフトは一貫して、EdgeはChromeと同じChromiumをベースとしており、Chromeの利点をすべて備えたうえで、それ以上に優れていると強調してきたが、今回は見当たらない。「今回は、そうしたポイントには触れられていません。メッセージは内蔵された安全機能に終始しています」。

さらに現在、マイクロソフトのウェブサイト上には「Online Safety」(オンライン安全性)専用ページも設けられており、ユーザーがマイクロソフトの「Browse securely now」(今すぐ安全にブラウズ)ボタンをクリックすると、そこに誘導される仕組みになっている。

Google Chromeをメンバーに擁するBrowser Choice Allianceは筆者に対し、「マイクロソフトは、ダウンロードに関するユーザーの選択に干渉するため、ブラウジングのセキュリティについて誤解を招くメッセージを押し出しています」と述べた。同団体は、Windows上でユーザーが好きなブラウザーを選べるようにするよう、活動している。

また同団体は、「マイクロソフトは、同じ古いポップアップを新しいメッセージで飾り立てるのではなく、ユーザーの側に立つべきであり、消費者の選択を損ない競合ブラウザーを締め出そうとするキャンペーンを終わらせるべきです」と主張している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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