一人なら早く行ける。でも、仲間となら遠くまで行ける。
孤独は、無条件に称揚されるべきではない。高齢者の孤立や生活困窮に伴う孤独は、社会が解くべき課題である。一方で、挑戦がもたらす孤独は、否定ではなく受容から始めたい。辛さを辛さのまま固定せず、「挑戦する孤独は美しい」というパラダイムを、社会に通用する言葉として打ち立てること。それが挑戦者にとっての救いになると、森井氏は語る。
Teracyは今、世界70カ国以上で使われている。そのうち約30%が個人開発者やフリーランス、50%がスタートアップ、残りが学生やクリエイターだ。
森井氏は今、次のステップを見据えている。それは、Teracyを「挑戦者のための居場所」として確立することだ。その想いを込めて、「Alone Together」というムービーも制作したと言う。個人で活動するクリエイターのリアルな姿を映し出し、一人でいても仲間がいるという感覚を形にしている。
https://m.youtube.com/watch?v=GJssDQtf1fs
挑戦者の総数はこれから確実に増える。そして、その一人ひとりが「理解されない夜」を経験する。
問われているのは、その孤独をどう受け止めるかだ。
耐えるものとして見るのか。 避けるものとして恐れるのか。 それとも、美しいものとして抱きしめるのか。
森井駿介氏は、対人恐怖症という最も深い孤独の中から、Teracyという答えを生み出した。彼の旅はまだ続いている。人はひとりであれば速く進めるかもしれない。だが、仲間とともに歩むことで、より遠くまで行くことができる。 Teracyが提示しているのは、孤独のままでもつながれる新しい関係性だ。 彼がつくったこの「場」は、これから挑戦する無数の人々の孤独を、少しずつ、創造の原動力へと変えていくだろう。
あなたが感じている孤独は、もしかしたら、誰も踏み入れたことのない場所へ向かっている証なのかもしれない。 その孤独を、美しいと思い、自分の道を突き進む方が一人でも多く増えてほしい。
「仲間がいれば遠くに行ける」。森井氏の挑戦は、孤独と共に歩む挑戦者たちを支える希望となるだろう。


