本稿は『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著、鹿田昌美訳、ダイヤモンド社刊)の内容を一部抜粋・編集して作成した記事である。
全世界500万人が感動した「ウミガメの話」
ハワイ沖でシュノーケリングをしていたの。
あの日はすでに最高だった。
紫の斑点のあるウナギとタコを見ることができて、どちらも初めて見たのよ。
それだけじゃないわ。
何千匹もの色とりどりの鮮やかな魚に出会った。
明るいネオンブルーから、信じられないほど深い赤色までさまざまな色の……。
私は岸辺から30メートルほどのところで、大きな岩の間を潜っていたわ。
右を向くと、大きなアオウミガメが隣を泳いでいたの。
野生のウミガメを見るのは初めてだったから、とても驚いたわ。
私は浮上してシュノーケルを外し、水面に浮かんで、ウミガメを観察したの。
ウミガメは私の真下を、岸の反対側へと泳いでいた。
私はしばらく水面に留まって、カメと一緒に泳ぐことにしたの。
すると驚いたことに、ウミガメの動きはかなりゆっくりで、ときどきヒレを動かしながら、ただ流れに身を任せているだけなのに、私はそのペースについていくことができなかったの。
私はフィンを履いていたから、水中で推進力を得ることができたし、浮力ベストのようなスピードを落とす装具は何も身に着けていなかった。
それでも、ウミガメはどんどん私から遠ざかっていくの。
私は追いつこうとがんばっていたのに。
10分ほどすると、ウミガメは姿が見えなくなった。
私は疲れて、がっかりして、ウミガメに追いつけなかったことに少し恥ずかしさを感じながら岸辺まで引き返したの。
翌日、またウミガメが見れるかもしれないと期待して、同じ場所に戻ったわ。
水に入って30分ほど経った頃、黒と黄色の小魚の群れに目を向けると、またアオウミガメがいたのよ。
私はしばらく、ウミガメがサンゴの周りを泳ぐ様子を眺めていたわ。
その後、ウミガメが沖のほうへと泳ぎはじめたので、私は追いかけようとしたの。
でも、またしても追いつけなかった。
私の先を進んでいるので、私は足をばたつかせるのをやめて、ただ水に身を任せて、ウミガメを見守ったのよ。



