ファッション

2025.12.22 07:15

茨城は「せっかち」新潟は「忍耐強い」ZOZOデータが暴く意外な県民性

プレスリリースより

プレスリリースより

ビジネスの現場では、データに基づいた市場分析が欠かせないが、時に膨大なデータは人間味あふれるユニークな事実を映し出すことがある。ZOZOTOWNが発表した「ファッション通販白書 by ZOZOTOWN」は、20年間の購買データから、社会の変化や都道府県別の意外な県民性を明らかにした興味深いレポートだ。

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ファッションのトレンドは世相を映す鏡と言われるが、ZOZOの分析によると、景気動向と「黒いアイテム」の売上には相関関係があるという。

一般的に、不況下では地味な色が選ばれそうなイメージがあるが、データは逆の傾向を示している。リーマンショック後の不況期には黒の購入比率が低下し、その後の景気回復期には再び上昇したのである。

好景気の時にこそ、トレンドに左右されない「定番色」としての黒が選ばれる傾向があり、そこには「不安」ではなく「落ち着き」や「安定感」を求める心理が働いている可能性があるという分析は、消費者心理を考える上では非常に興味深い。

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本白書のもう一つの目玉は、都道府県別の購買データから導き出された「ファッション県民性」である。地域ごとの気質が、ECサイトの使い方や購入アイテムに色濃く反映されているのである。

配送サービスの利用傾向からは、県民の時間感覚が見えてくる。「即日配送」の利用率が全国1位だったのは茨城県だ。もっともせっかちな県民性なのかもしれない。対照的に、「タイムセール」の利用率1位は新潟県である。お得になるタイミングまでじっくり待てるその忍耐強さは、雪国ならではの気質なのかもしれない。

支払い方法やサービスの利用にも地域差がある。岩手県は「ツケ払い」の利用率が全国1位。「ツケ」と聞くと一見ルーズに思えるが、裏を返せば将来の入金を見越した計画的な消費行動とも捉えられる。

一方、東京は「買い替え割(下取り)」や「リユース・古着」の利用率がトップだ。最新のファッションを楽しみつつ、不要なものは賢く循環させる、都会的で合理的な消費スタイルが定着していることがうかがえる。

北海道が「ルームウェア」の購入額で1位なのは、長く厳しい冬を快適に過ごす「おうち時間」への投資の表れだろう。また、栃木県ではなぜか「ブリーフ」の購入額が1位という、質実剛健(?)なデータも出ている。

これらは、公開された白書の中のほんの一部に過ぎない。出身地や取引先の地域のデータを見れば、「なるほど」と膝を打つ発見があるはずだ。ビジネスの場でのアイスブレイクとしても使えるこれらのデータ、ぜひ自身の目で確認してみてほしい。

出典:ZOZO「ファッション通販白書 by ZOZOTOWN」より

文=飯島範久

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