経済

2025.12.16 12:30

Notionが企業価値1.7兆円に AIで成長加速し、従業員に株式売却を開始

Shutterstock.com

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生産性向上ソフトウェアのスタートアップNotionは12月15日、新規株式公開(IPO)に先立ち企業価値110億ドル(約1兆7270億円)の評価額で株式の一部を従業員向けに売却可能になったと伝えた、と関係者がフォーブスに語った。

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セコイア・キャピタル、インデックス・ベンチャーズ、シンガポールの政府系ファンドGICが株式を購入する予定で、約3億ドル(約470億円)相当の株式取引になると見られると、関係者は述べた。

この株式売却は最近、Notionの年間経常収益が6億ドル(約942億円)を突破したことを受けたもので、その半分は人工知能(AI)製品から生み出されており、キャッシュフローもプラスになっていると関係者は語った。同社は、IPOに向けて短期間に複数の資金調達ラウンドを検討しており、これはフィンテックスタートアップのRampのようなレイターステージのスタートアップの最近の資金調達トレンドである。金融データベースを提供するPitchbookによると、Rampは今年4回の資金調達ラウンドを完了している。

非公開企業であるNotionの前回の株式売却は2022年に行われ、その際の企業価値は100億ドルで、2021年のシリーズCラウンドと同じ評価額だった。

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ブルームバーグは先に、フォーブスの「AI 50」に選出されているNotionが企業価値120億ドル(約1兆8840億円)で株式売却を検討していると報じていた。

Notionはコメントを控えた。

同社はOpenAIやCursor(カーソル)を顧客を持ち、1000人規模の従業員を抱える。Notionはもともと、スタイリッシュでミニマルなインターフェースでありながら、パワフルでカスタマイズ性に優れた生産性向上ツールとして、スタートアップの間で人気を博した。現在、同社顧客の80%を、米国外の企業が占めている。

ここ数か月で同社は事業拡大を図り、Notionをオフィス向け万能アプリにすることを目指している。将来的には、マイクロソフトとグーグルの支配に挑戦する可能性がある。ガートナーによると両社は、520億ドル(2022年の売上高)規模の生産性スイート市場で、99%のシェアを占める。

NotionのAI機能には、外部連携アプリに散在する情報を横断的に検索できる「エンタープライズサーチ」や、Notion内でAIが自律的に20分以上の作業を行う「ナレッジワークエージェント」、議事録作成ができる「AIノートテイカー」などがある。

forbes.com 原文

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