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2025.12.17 11:30

2026年の米株式市場はどうなるのか、バリュエーションは歴史的高値

Spencer Platt/Getty Images

Spencer Platt/Getty Images

2025年は、S&P500種株価指数にとって比較的堅調な年として1年を締めくくりそうだ。今年も残すところあと僅かだが、同指数は米国記事執筆現在、年初来で17%上昇している。この水準は、指数にとっては「良い年」とされる範囲内だが、歴史的に見ても好調な年には30%のリターンを記録することは珍しくない。

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しかし、比較的異例なのは、最大規模の銘柄がS&P500に占める比率が非常に大きくなっている点である。それらの多くはテクノロジー企業だ。加えて、2026年を目前に控えた現在、指数はやや割高に評価されているようにも見える。

上位に偏重するS&P500

S&P500指数本来の目的は、米国に上場する大型企業を幅広くカバーすることにある。しかし近年、その目的が十分に果たされているかというと疑問が残る。この指数は、主にテクノロジー分野のごく一部の巨大企業に、ますます偏る構造になっている。

現在、S&P500における上位10銘柄は、指数全体のおよそ40%を占めている。これに対し、2000年から2010年にかけては、上位10社の構成比は通常10%から15%程度であった。つまり、この指数には500社が含まれているにもかかわらず、近年のS&P500のリターンは、過去の多くの時期と比べて、はるかに少数の銘柄によって左右されやすくなっているということだ。

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テクノロジーの支配的地位

テクノロジー分野の支配力は極めて大きい。現在、テクノロジーセクターは指数全体の約3分の1を占めており、この比率はテックバブル最盛期と同程度である。ただし、これは実態を過小評価している可能性もある。というのも、セクターの分類上、テスラは自動車、アマゾンは小売に分類されており、一般にテクノロジー企業とみなされる一部の企業が、このセクターに含まれていないためだ。

テクノロジーの比重が高いこと自体は、必ずしもS&P500にとって悪材料ではない。しかし、これは指数の多様性が相対的に乏しいことを示唆しており、その結果として、変動性(ボラティリティ)が高まる可能性がある。

そのため、2026年のS&P500の行方は、エヌビディア、グーグル、マイクロソフトといった企業、そして、テクノロジー分野全体の動向に大きく左右されるだろう。もし2026年にテクノロジーが不調であれば、S&P500も苦戦する可能性がある。

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翻訳=江津拓哉

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