Airbnbの「文化戦略」、アートフェアと提携しロイヤルティ強化へ

Airbnbのグローバルパートナーシップ・事業開発責任者のフアン・デビッド・ボレーロ(Photo by Roy Rochlin/Getty Images for PAIGE)

プラットフォームから「情熱支援」型の企業へ

そうした変化がAirbnbにとってなぜ重要なのか、それを理解するために、若者文化についての詳細なリサーチをする必要はないだろう。若い旅行者たちは、自分が強い関心を持つことや、それに関連のあるイベントに参加するために旅行をすることが多い。

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つまり、フェスやスポーツの試合、一生に一度しか見ることができないかもしれないコンサートの観覧など、大きな節目となるイベントに参加するための旅行を計画することが多い。旅は個人のアイデンティティの表現となり、その人自身が愛情を注ぐものとより深くつながるための行動へと変化している。

こうした視点から見ると、Airbnbのパートナーシップは単にスポンサー契約を結ぶことではない。それは、「情熱を支援」するためのツールを提供することだ。世界中の人々がそれぞれの関心事を追求し、より豊かでつながりを感じられるような形でそれらを体験できるようにするための「グローバルなインフラ」を提供することになる。

ボレーロはそれを、よりシンプルな言葉で表現している。人々がスマホを凝視することに長い時間を使いすぎる世界で、Airbnbはその人たちを再び、現実世界に引き戻そうとしているのだという。イベントは、そのための完璧なきっかけとなる。情熱に駆られ、人々は実際にその場に集まる。Airbnbの仕事はその「瞬間」を、よりアクセスが容易で料金も手ごろな、共感できるものにすることだ。

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現実世界でのつながりをサポート

ボレーロは、「旅行は今も変わらず、現実の世界でのつながりを持つことだ」と指摘している。多くのブランドが顧客とのバーチャルな関わり方に力を入れる時代に、Airbnbはそれとはまったく逆のアプローチに賭けている。顧客ロイヤルティを築くのは、リアルな、感情を伴う、他者と共有することができる瞬間となる。

アート・バーゼルのオープニングでも、オリンピックの選手と実際に会うことができる機会でも、あるいはその他の経験でも、Airbnbは人々が目指す旅先を訪れ、滞在し、そこで何か意義深いことを感じる経験を支援することを目指している。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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