毎年恒例の「ふたご座流星群」が日本時間14日に極大を迎え、世界各地の天文ファンを魅了した。流れ星の多さでは年間最大級で、色彩豊かな流星群として知られ、北半球から観測しやすい。今年の極大夜には1時間に数十個の流星が観測できた。
ふたご座流星群は毎年ほぼ一定して多くの流星が見られ、条件の良いときには1時間あたり最大150個の流れ星が出現する。2025年は年間で最も活発な「見るべき」流星群として期待されていた。
流れ星の正体は、流星物質と呼ばれる砂粒ほどの大きさの塵や岩石の微小片である。代表的な放出源(母天体)は彗星だ。
彗星は太陽に近づくと表面が熱せられて少しずつ溶け、ガスと塵を放出する。こうした彗星の置き土産が太陽系内には彗星軌道に沿って帯状に残っていて、そこを地球が横切る際に、大気圏に突入した塵の粒が大気と衝突してエネルギーを生じ、プラズマとなって発光する。これが一瞬の光の軌跡として見えるのが流れ星である。
だが、ふたご座流星群は例外だ。母天体は彗星ではなく、フェートン(ファエトン:3200 Phaethon)という地球近傍小惑星で、太陽を1.4年周期で公転している。2023年の研究結果によると、フェートンからの塵の放出は何らかの爆発現象か、別の天体との高速衝突によって生じたとみられる。
一方、米航空宇宙局(NASA)によればフェートンは太陽に接近すると彗星のような活動を示し、明るさを増してナトリウムガスの尾を形成する。小惑星の表面温度が上がるにつれて内部のナトリウムが気化し、宇宙空間へと放出されるのだという。



