結果、サプライヤー側にとっては、たとえ自社には開示義務がなくても、取引継続のためにGHG排出量を算定せざるを得ない状況が連鎖的に発生するようになった。こうした炭素会計をめぐる状況の変化が、塚本が“時代の終わり”をいう背景にある。
しかし、ただでさえ人手不足の中、炭素会計を行い、会計監査にあたるアシュアランス(保証)も必要だと考えれば、サプライヤー側にとっては、パーセフォニのような専門的なSaaS企業に任せた方が負担は軽い。「さらにいえば、グローバル展開している企業は国によっても算定基準が違うため会計手続きが複雑です。その意味でも、我々のプラットフォームを使ってもらうことでGHG排出量を正確に算定でき、削減していける」と塚本は続ける。
今後、炭素税など排出量に応じたコストを負担するようになる可能性を考えると、GHG排出量を正確に測ることは企業にとってもメリットになる。
GHG排出量は活動量×排出係数で算定されるが、例えば高価なエコ製品を購入した場合、物量ベースで算定すれば実際の削減効果を加味して排出量を算定できるが、購入金額などをもとにする金額ベースの係数で考えると、経理データから算出できるので手軽ではあるものの製品の削減効果を加味しないので、計算上は排出量が増えてしまう。係数を柔軟に対応できる方が経営の面からも有利であり、何より排出量の具体的な削減計画も立てやすいのだ。
こうした背景から、サプライチェーン企業を含め、多くの企業から問い合わせや相談が増えているというが、塚本は「不安をあおって導入を促すつもりはありません」と話す。
まずは炭素会計を広く浸透させることが大事だという思いから、専門知識がなくてもスコープ3まで算定できる『パーセフォニ・プロ』を無償で提供。中小企業のなかには取引先の大企業から正確な排出量を求められたものの知識もなく、資金も限られ、何より、どこから手をつければいいのか見当もつかない企業も多いとみられ、実際、世界で約8000社が既に無償版を使っているそうだ。


