停滞しているのは、女性の国家元首の数だけではない。女性リーダーに対する公の認識を測定するレイキャビク指数は、G7全体で2年連続で68点(満点は100点)と横ばいとなっている。ドイツ、米国、英国では、女性のリーダーシップに対する公の信頼度が、昨年の調査と比較してそれぞれ2ポイント、3ポイント、4ポイント低下した。G7以外では、1980年に世界初の女性大統領を選出し、現在は大統領、首相、警察長官、検察長官、司教が女性であるアイスランドが、2022年の91点から86点に低下している。
「10年前、私たちは時間がこの問題を解決すると考えていた。しかし、そうはならなかった」と、この指数の共同創設者であるミシェル・ハリソンは、女性の権力獲得に対する姿勢について言及している。「女性が権力を獲得した後、それを本当に維持できるようにするために必要な制度改革を、どのように推進し続けるべきだろうか」
ハリソンが特にこの問いの答えを見出そうとしているのは、彼女の研究からもう一つ明らかになった重要な点があるからだ。それは若い世代において、その親の世代と比べ女性のリーダーシップに対する支持が弱まっていることだ。ハリソンはこれを「再伝統化」と呼んでいる。
「若者と進歩主義の分離は、驚くべきことだ」とハリソンは言う。「1950年代以来、何十年もの間、若い世代は進歩的な運動や態度と関連付けられてきた。このような現象は、初めてだ」
女性のリーダーシップの力学は、循環的である。能力についての認識が代表性に影響し、代表性が認識を形作る。研究データは特に若年層における変化の速さを示しており、ロビンソンは将来の選挙への影響を憂慮している。
「一部の団体は、女性や少女に家庭を守る人や子どもを産む人としての伝統的な役割に戻るように促しています。私たちはこの信じられないほど有害な過去への回帰を受け入れてはならない」
ロビンソンとハリソンはまた、女性の政治参入を妨げる要因の数々を指摘している。あらゆる文化や国中の企業で起きている多様性、公平性、包括性(DEI)に対する戦い、脅威と政治的暴力の激化、「マノスフィア(男性中心のネットワークコミュニティ)」の影響、そしてディープフェイクポルノの台頭だ。今年のリストで4位にランクインしたイタリアのジョルジア・メローニ首相は、この問題で訴訟を起こしている。
逆風にもかかわらず、2025年は女性の政治指導者にいくつかの注目すべき進展をもたらした。最も大きなものが、世界第4位の経済大国、日本の高市早苗首相の誕生だ。今年の「世界で最も影響力のある女性100人」ランキングに3位でデビューした高市首相は、日本で史上初の女性首相となった。同国では長年、世襲的で男性優位の政治構造が長く続いてきた。しかし、彼女の台頭はそこからの脱却を意味しており、多くの専門家は予想していなかったことだ。
一方でこの画期的な出来事は、ジェンダーレンズで見るとより複雑な現実の上に位置している。高市首相は皇室の男系継承の伝統を支持し、夫婦別姓に反対している。そして、19人の閣僚のうち女性を2人しか任命しなかった保守派である。彼女は、彼女自身が突破してきた制度そのものの伝統を強化する形で登場したのである。


