暮らし

2025.12.17 07:50

2025年今年の漢字は熊ではない、調査で判明した消費者の本音

プレスリリースより

インドア・健康・睡眠への投資増

こうした意識の変化は、2025年の消費行動にもはっきりと表れている。同調査では、前年と比べて消費が増えた項目として、スマートフォンなどを利用した電子決済がもっとも大きく伸びた。

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出典:HERSTORY REVIEW 1月号

このほか、健康関連、自宅時間、備蓄品・災害用品といった分野でも増加が目立つ。健康関連は食品、ウェア・シューズ、グッズ、アプリやデバイス、睡眠関連など複数カテゴリで伸長しており、生活の基盤づくりへの投資が進んだことがわかる。

減少した消費行動は飲食・娯楽・ファッション

一方で、消費が減少した項目も明確だ。もっとも減ったのはお酒・アルコールで、カフェや外食、美容・ファッション関連が続いた。

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出典:HERSTORY REVIEW 1月号

これらはいずれも、他者との場や外に向けた装いに関わる消費だ。この変化を「楽しみを削って節約志向へ」と消費が動いたと見るべきか。むしろ、「誰にどう見られるか」よりも、「自分の生活に本当に必要か」を基準に消費を選び直す動きが強まったのではないか。

生活全体の優先順位を見直し、安定性や効率を高める方向へと舵を切ったと捉えることもできる。いわば、生活を支えるOSをアップデートするような消費行動だ。健康、睡眠、キャッシュレス、防災、自宅時間。これらは一見すると守りの支出に見えるが、長期的には生活の安定度を高め、時間や選択肢の余裕を生む投資でもあるからだ。

2025年は、物価高が生活を直撃する中で、生活者が感情的な消費から距離を置き、現実的に暮らしを再設計し始めた一年だったのではないか。「高」という一文字は、物価高の厳しさを嘆くと同時に、環境の変化を直視して生活を仕切り直し始めたサインとも思える。

プレスリリース

文=福島はるみ

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