年末恒例の「今年の漢字」(公益財団法人日本漢字能力検定協会が主催)。京都・清水寺で発表される行事として広く知られているが、先日発表された2025年の一文字は「熊」だった。各地で相次いだ熊出没や被害が社会的な関心を集めた一年だったことを象徴している。
一方で、消費者自身に「今年を表す漢字」を問うと、公式とは異なる景色が浮かび上がった。
女性インサイト総研を有するハー・ストーリィは、15歳以上の男女566人を対象に「2025年を表す一文字」を調査。その結果、もっとも多く選ばれたのは「高」だった。

出典:HERSTORY REVIEW 1月号
消費者が選んだ「今年の漢字」で1位に選ばれた「高」。物価高、昨年に続く酷暑による高気温、さらには日本初の女性総理・高市早苗氏の「高」、株価高騰など、日常のあらゆる場面で「高」が意識された一年だったことがうかがえる。
1票差で続いた「米」も印象的だ。米価の高騰に振り回された実感に加え、円安や米国経済のニュースの多さから「米(アメリカ)」を想起したという声も寄せられている。
公式の漢字「熊」が象徴的な出来事や社会不安を映すとすれば、生活者が選んだ「高」は、日々の暮らしの中で積み重なった実感の表れともいえるだろう。



