2022年の大阪中之島美術館の開館を機に「アート・文化の新動線」として注目を集める堂島・中之島界隈。とくに堂島エリアは歓楽街に隣接しているせいか雑多なイメージもあったが、再開発が進み、洗練された街へと進化しつつある。
その一翼を担うのが、東京建物が開発を手がけた「ONE DOJIMA PROJECT」だ。高さ約195mの超高層タワーに分譲マンション「Brillia Tower 堂島」と「フォーシーズンズホテル大阪」を一体開発。コンセプトに「旅とアート」をかかげたBrillia Tower 堂島では、共用部を中心に50点を超える作品を購入、配置した。
それらのアートが装飾や話題づくりを超えて、生活の質や企業のブランド価値の向上、街を活性化させる──。事業に寄与する大規模な購入で日本のアート市場の拡大にも貢献したBrillia Tower 堂島の取り組みが、「ART & BUSINESS AWARD 2025」のアートマーケット部門を受賞した。
街と住まいを豊かにする多様なアート
Brillia Tower 堂島の南東角には、約5mの巨大な人型のパブリックアートが立つ。大阪出身で国際的に活躍する彫刻家・名和晃平氏による作品「Trans-Mio」だ。街ゆく人が足をとめてあおぎ眺めたり、待ち合わせ場所となったり、すっかり街に溶け込んでいる。
「ここにパブリックアートを置くことは開発当初から決まっており、できれば関西出身の作家のアート作品を設置したいと考えていました。大きく目に止まる印象的な作品が、街を歩く人の目線に自然と入る位置にあることで、エリアの魅力や回遊性向上にもつながっています」と、同プロジェクトのマネージャー、和田千緩は話す。
屋内には、大巻伸嗣、ボスコ・ソディ、ダニエル・アーシャム、落合陽一など、国内外アーティストの多彩なアート作品を展示。特に2階ギャラリーラウンジ・ギャラリーコリドーは、天井の高く洗練された空間に大型のペーンティングや彫刻作品が佇む。43階バー&ラウンジ、49階ペントハウス、各階エレベーターホールなど、住民が日常触れられるあちこちにさまざまな作品が配され、生活の質をあげていることがうかがえる。



