夫との結婚生活が破綻、会社の業績も急落し赤字に転落
2024年2月、当時すでに高収益コンテンツの中核となっていた夫フェデスとの結婚生活が、破綻したことが明るみに出た。フェラーニは、インスタグラムに長文の声明を投稿し、「フェデスと自分の暮らしは、すべて虚構だったと知った」と記した。彼女は、その声明でフェデスが2017年から不倫を続けていたことや、がん治療中の彼を看病する中でその事実を知ったこと、結婚式当日に祭壇へ向かう直前、彼が愛人に電話をかけていたと主張した。フェデスは不倫を認めたが、その電話については否定した。
同年秋、フェラーニはブランドのCEOを辞任し、後任にはクラウディオ・ロベルト・カラビが就任した。「パンドーロゲート」で起訴されたものの、この件についてコメントしていない長年のビジネスパートナー、ファビオ・マリア・ダマートも、ブランドとTBSクルーの双方での役職を離れた。しかし、その後も苦境は続いた。ミラノの旗艦店は閉鎖され、ブランドの売上高は2024年に94%減の110万ドル(約1億7000万円)に急落し、約350万ドル(約5億4000万円)の損失を計上した。これは同社の損益計算書で明らかになっている。TBSクルーも同様に深刻で、売上高は2023年の1930万ドル(約30億円)から100万ドル(約1億6000万円)へと95%減少し、240万ドル(約3億7000万円)の損失を出した。両社はいずれも人員削減に踏み切った。
フェデスをめぐる騒動も収束していない。10月に出版された回顧録で、36歳のラッパーである彼は、パンドーロゲートにおけるフェラーニの関与を当時は知らなかったと主張している。「世界の他の人たちと同じタイミングで、私は何が起きたのかを知った」と、その回顧録に記した。裁定当日に泣き崩れるフェラーニの様子を描写したうえで、「私ははっきりこう言っただろう。『本当に、やらかしたな』」と書いた。フェデスは、フェラーニを「集団的な幻覚のような存在だ」と評し、「彼女はビジネスについて多くを理解していない」と付け加えた。
ローマを拠点とする刑事弁護人ジャンルカ・トニョッツィによると、フェラーニは2026年初めに詐欺罪で有罪判決を受けたとしても、実際に服役する可能性は低いという。「イタリアでは、初犯で有罪となった場合、2年以下の懲役刑であれば執行が猶予される」と彼は説明する。
フェラーニの側近の1人はフォーブスに対し、仮に有罪となった場合でも、フェラーニは判決を不服として控訴し、これまでと同じ形で事業を継続する考えだと語った。彼女は現在欧米の主要市場以外に目を向け、スポンサー収入の確保を図っている。最近では、メキシコの小規模なアクセサリー企業や、スペインのヘアケア企業と提携した。
この側近はまた、彼女のブランドは回復基調にあり、まだ提出されていない2025年の損益計算書には前向きな兆しが見られるとも述べている。
破産回避のために自社株に投資、事業の支配権を取り戻す
今回の一連の出来事に、フェラーニにとっての数少ない明るい材料があるとすれば、市場価値を下回る水準の価格で、事業の支配権を取り戻せたことだ。2025年4月、フェラーニは自身のブランドに730万ドル(約11億3000万円)を投資し、保有比率を32.5%から99%へと引き上げた。これは、イタリアの法の下で会社が破産申請を迫られる事態を回避するための措置でもあった。
フェラーニは4月、過半数株式の取得を発表するインスタグラムの投稿で、「これは単なる持ち株比率の問題ではない」としたうえで、「自分の人生と事業を自分の手に取り戻すという決断だ。これ以上、他人に任せきりにはしないし、問題があるのに平静を装うこともしない」とつづった。
彼女はまた、「おとぎ話を語るつもりはない。おとぎ話は存在しない」と続け、「それでも私は、新しい何かを築こうとしている」と記していた。


