経済的に余裕がある人たちの多くは、この注射剤の当初の目的、高度(病的)肥満の治療や糖尿病の予防のためではなく、「手っ取り早いダイエットの方法」としてこの薬を使用している。
脱毛を防ぐには、まずは1週間に約450~900グラム程度の緩やかなペースでの体重減少になるようにとどめること、積極的なサポート体制を築いておくことが必要だ。例えば、オメガ3脂肪酸やビタミンが豊富な食事をとることや、医師などに相談した上でビオチンなどのサプリメントをとることなどが推奨されている。
一方、すでに過度に体重を減らした人の中には、回復を加速させるため、ビバリーヒルズにある再生医療が専門の美容クリニックなどで、多血小板血漿(PRP)療法や(ヒトの臍帯から採取した幹細胞などを用いる)ウォートンジェリー注射による治療を受けている人もいる。
発毛期は、脱毛が起きてから3~6カ月後に再び訪れるとされているが、そうした治療を受ければ、その再開の時期が早まるとされている。そのほか、ペプチドが配合された頭皮用のセラム(One Skinの「ペプチド・スカルプ・セラム」など)の使用によって毛髪の再生を促すなど、より安価な料金で対処する方法もある。
結論
いずれにしても、GLP-1薬は変革をもたらすといえるほどの大きな影響力を持っている。肥満の問題を何とかしようとする米国の成人の42%に希望を与えているほか、経済的な余裕がある人たちが余分な脂肪を落として自尊心を高めることに役立っている。
ただ、GLP-1薬と脱毛の関連性を巡る騒ぎが私たちに改めて思い出させるのは、「体は常に、ただやせるだけでは済まない」ということ。この薬を使用する人たちへのメッセージは、明確だ。体重を減らすと同時に自尊心を守ることもできるようにするためには、治療は適切な管理の下で受けること。
GLP-1薬で起きる脱毛の問題への答え、それは「慎重に、ゆっくり進めること」だ。


