現代医学は、研究施設で始まったわけではない。真のその起源は、治療者が植物の葉や根、樹皮や花を集めた、森や野山や河原にある。
こうした植物には、有毒のものもあれば、治療効果を持つものもあり、両方を兼ね備えるものもある。何より、こうしたプロセスは、化学や臨床試験が影も形もなかった時代から、延々と続いてきた。
人類史のなかで利用されてきた無数の薬草の中で、世界の医療に特に絶大な影響を与えたのが、キナノキ、ヤナギ、ジギタリス(和名:キツネノテブクロ)だ。
これらの植物がたどった、民間医療から医薬品への道は平坦なものではなかった。それぞれが、試行錯誤、植民地の搾取、誤った処方による惨事、悲劇的な誤解に満ちていた。
適切に用いれば実に効果的だが、十分な理解がなければ危険にもなり得る3種の植物について、以下で詳しく紹介していこう。



