米シンガーソングライターのチャーリー・プースが10日朝(日本時間11日未明)、米実業家イーロン・マスクにX(旧ツイッター)上で苦情を訴えた。カリフォルニア州にある米宇宙企業スペースXのロケット打ち上げによる騒音がひどくなり、自宅が激しく揺れて迷惑しているという内容だ。実際、打ち上げ回数の増加に伴い、スペースXの発射場近くの住民からは騒音被害を訴える声が大きくなっている。
Hi @elonmusk …these sonic booms have gotten progressively louder since they started launching the rockets in Santa Barbara. This one at 3am today felt like 150-160 dB, violently shook our whole house, and really frightened my pregnant wife. I hope they do not get louder :/
— Charlie Puth (@charlieputh) December 10, 2025
プースはマスクのアカウントをタグ付けしたX投稿で、「サンタバーバラでロケットの打ち上げが始まって以来、ソニックブーム(による騒音)はどんどんうるさくなっている」と主張。「きょう午前3時の爆音は150~160dB(デシベル)くらいに感じられた。家全体が激しく揺れ、妊娠中の妻はものすごく怖がっていた。これ以上、騒音が大きくならないことを願う」と直訴した。
プースが言及したのは、カリフォルニア州サンタバーバラ郡にあるバンデンバーグ宇宙軍基地のことだ。スペースXによれば現地時間10日午前3時40分、同基地からスターリンク衛星がファルコン9ロケットで地球低軌道へ打ち上げられた。
同社公式サイトには免責事項として、サンタバーバラ郡を含む基地周辺の住民は気象条件によっては「打ち上げ時に1回以上のソニックブームを聞いた可能性がある」と記されている。
スペースXによると10日の打ち上げは、今月バンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられた4回目のミッション。今週末にも別の打ち上げが予定されている。
マスクはプースの投稿に反応していない。
スペースXの打ち上げは「騒音」 増える苦情
スペースXのロケット打ち上げをめぐっては実際のところ、発射場周辺の住民や規制当局から苦情の申し立てが相次いでいる。
カリフォルニア州の海岸線の保全を担う州当局であるカリフォルニア州沿岸委員会(CCC)は、バンデンバーグ基地の発射場を管理する米宇宙軍に対し、騒音やソニックブームが周辺の野生生物に与える影響を追跡するよう要請した。しかし、米紙ロサンゼルス・タイムズの報道によると宇宙軍は2024年8月の会合で、地域環境の監視は十分にやっているとして要請を拒否した。



