ファッションモデルを目指す女性らにとって、インスタグラムは最適なプラットフォームになりつつある。世界最大手のモデル事務所、IMG Modelsは昨年12月に @WeLoveYourGenesと名付けたアカウントを開設。モデル志望者らに#WLYGというハッシュタグをつけて写真を投稿するよう呼びかけた。
これまでもモデル事務所がインスタグラムをモデル探しに使うケースはあった。しかし、IMG 社の戦略は見事に当たり、アカウントの立ち上げから9ヶ月で27人ものモデルと契約を交わした。#WLYGのハッシュタグは合計で22万回も使用され、@WeLoveYourGenesのアカウントのフォロワーは7万人を突破したのだ。
「ベッドルームに居ながら世界中からアクセスが集まるのはとてもエキサイティングな気分だ。みんながインスタグラムを使っていることを実感している」とIMG社代表のIvan Bartは語る。
応募者らは米国のみならず世界中から集った。「ネブラスカ州に居る誰かが100万人のフォロワーを持ってたら、一体何者なんだと思うだろう。これをスカウトに活かそうと思ったんだ」とBartは続けた。
合計で55名のモデル志望者が16の異なる国から集まった。モノになりそうな候補者を発見すると、スカウトチームが現地に赴いた。
「これは本当にグローバルな規模の話になった。最初に契約に成功したのは南アフリカのモデルだったんだ」とBartは言う。
The first face to be signed from @WeLoveYourGenes but certainly not the last. Tag your pics with #WLYG or shed some spotlight on your model potential friends by tagging them in the comments below! We Love Your Genes (#WLYG)さん(@weloveyourgenes)が投稿した写真 - 2015 5月 19 1:01午後 PDT
契約にサインしたモデルたちはまず雑誌などで活動し、それからファッションブランド等の仕事を始める。モデル事務所は各モデルの広告契約料から20%のコミッションを徴収する一方、ブランド側にもモデルのレベルに応じたブッキング費用を請求する。
IMG社 は「世界で最も稼ぐモデル」ランキングに登場するモデルの約半数を擁する企業だ。その中には大御所のケイト・モスや昨年4400万ドル(約53億円)を稼いたジゼル・ブンチェン、新人のジョーン・スモールズ、カーリー・クロスらも含まれている。
同社がインスタグラムからスカウトしたモデルは既にニューヨーク・ファッションウイークにも登場し、デレック・ラムやRebecca Minkoffのショーに登場した。同様な取り組みはデザイナーのマーク・ジェイコブスも行っている。彼は2015年、秋冬のコレクションのモデルたちを#castmemarc(私をキャストして、マーク)というハッシュタグで募集し、既に7万件の応募があったという。
モデル志望者らがインスタグラムを使うにあたって、前出のBartは次のようにアドバイスする。「化粧を濃くしたりヘアをいじったりせず、自然体の写真を投稿することが大事だ。ありのままの自分を見せるんだよ」
「面白いキャプションを書いて目立とうというのもあまり関心できない。結局のところ、ソーシャルメディア自体が、そのモデルに自分の個性を与えてくれるんだから」とBartは続けた。