3. 過剰に自立していると最も苦しい時に孤独
他の人を頼ることを避けると、ストレスを緩和する感情的かつ実践的な余裕が奪われる可能性もある。多くの研究が社会的孤立や孤独感、支援の不足をメンタルヘルスの問題だけでなく身体の健康リスクとも関連付けている。例えば、社会的支援の少ない高齢者は社会とのつながりが強い高齢者と比べて心血管疾患や死亡のリスクが著しく高い。
前述の2018年のレビューが明らかにしたように、社会的孤立と孤独感はうつや不安、精神疾患からの回復の遅れ、全体的な機能低下とも関連している。
自立が社会的孤立へと傾いた時、直面するのは一時的なストレスではない。ストレス関連疾患の長期的なリスクを増大させ、メンタルヘルスを悪化させる。そして人生の満足度の低下を招く。問題が蓄積するまで自立は安定しているように見えがちなため、多くの人はこのリスクに気づかない。
自立した人間であろうとする理由はさまざまだ。性格、育てられ方、文化、自立への社会的評価、負担になることへの恐れなどが挙げられる。こうした要因はやがて、脆弱性を抑圧し、ニーズを否定し、つながりを任意のものとして扱う精神構造を築く。
自立は助けを求めるより安全なことに感じられ、他の人の介入を望むよりも確実のように思える。しかし研究は、つながりが不可欠なものであり、自立だけでは不十分であることを示している。立ち直りや感情調節、回復力には個人の粘り強さ以上のものが必要だ。


