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2025.12.14 09:00

「人に頼らない=強い」ではない──自立しすぎが裏目に出る「3つの理由」

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1. 過剰な自立は孤立を招く

社会的支援は感情的なもの、実践的なもの、関係に関するものなど、いずれにしても人間にとって譲ることのできない必要不可欠なものだ。2022年の大規模なメタ分析(11万3000人超を対象とした177の研究を統合したもの)で、社会的支援の認識と孤独感の間に強いネガティブなつながりがあることが示された。

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つまり、必要な時でさえ助けや支援を拒み、習慣的に自分だけに頼ることは孤独感を感じるリスクを大幅に高める。2018年のシステマティックレビューが指摘するように、社会的支援の不足と孤独感はやがてうつや不安などの精神疾患の悪化を招く。

実際、常に過剰に自分でこなす人は一見強そうに見えるかもしれないが、内面ではこのパターンが脳を慢性的なストレス状態に陥らせ、メンタルヘルスを悪化させる。やがて自立は社会的な自己放棄へと変質し、心にしわ寄せが来る。

孤立に突き動かされている時、人生の問題は一層頑固なものになる。愛し信頼できる人が周りにいれば、最も重い負担さえも軽く感じられるようになる。

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2. 過剰な自立で自己肯定感が低下する

研究によると、社会的支援の認識は自己肯定感と回復力を予測するポジティブな要素だ。傷つきやすい若年層を含む数千人を対象としたメタ分析で、社会的支援の増大と自己肯定感の向上、心理的回復力の増大、孤独感の低減が相関することが明らかになった。

頻繁に助けを断ったり負担を分かち合うことを避けたりすると、感情的な負荷を調節する重要なリソースから自分を切り離すことになる。本質的に、回復力を自分1人で築くことはほぼ不可能なため、自ら立ち直る能力を低下させる。

もちろん、自己効力感や主体性、精神的な柔軟性といった「自己管理」能力によって感情的な孤独の悪影響から身を守ることができる。しかしこの自己管理スキルの核心は支援を求めるときを知り、社会的なつながりを維持することにある。純粋な自己依存と支援の全面的な拒否はこうした保護効果を帳消しにする。

結果として、たとえその信念が自分を弱体化させる場合でも、すべてを自分1人で処理しなければならないという不健全な考えを強化してしまう。

次ページ > 3. 過剰に自立していると最も苦しい時に孤独

翻訳=溝口慈子

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