モビリティ

2025.12.12 11:30

米EVリビアン、「ハンズフリーで目視不要な」自動運転機能を新SUV車に追加へ

Thomas Fuller/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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ロバート・ジョセフ・スカリンジが創業した米EVメーカーのリビアン(Rivian)は、自動運転技術の競争に参入し、2026年に発売予定の新型SUV「R2」に、ハンズフリーかつアイズオフ(目視不要)の走行を可能にする新たなハードウェアとソフトウェアを導入する計画を進めている。

同社はすでに「R1」シリーズのピックアップトラック(R1T)およびSUV(R1S)で限定的なハンズフリー型の運転支援機能を提供している。しかし、カリフォルニア州パロアルトで開催された説明会に登壇したスカリンジによれば、2026年末からは、より高性能のカメラ、レーダー、LiDARの導入により、その機能は大幅に向上するという。また、新たな社内設計のチップとコンピューティングシステムも追加され、将来的なアップグレードによってリビアン車がロボタクシーとして運行できる可能性があるという。

「2026年から、住所から住所へと走行できるポイント・ツー・ポイント機能を展開し始める予定だ。つまり、自宅で車に乗り、行き先の住所を入力すれば、車が勝手にそこまで走行してくれるということだ」と彼は語った。「当初の焦点は自家用車であり、これは現在、米国の総走行距離の大半を占めている。しかし、この機能によりライドシェア分野での機会も追求できるようになる」。

リビアンは、5年前にR1シリーズおよび配送用EVバンで市場に参入して以来、米国で最も有望なテスラの競合とされてきた。しかし、今のところ販売は当初の目標には届いていない。2026年初頭に登場予定のR2は、ベース価格を約4万5000ドル(約699万円)とし、R1SおよびR1Tより数万ドル安く設定されている。

スカリンジは、このモデルがリビアンの販売台数を大幅に増加させることを期待しているが、米国では連邦税控除が廃止されたことでEV需要はすでに弱まっている。そんな中、テスラよりはるかに強力なセンサーを組み合わせた自動運転機能の追加は、同ブランドの魅力向上に役立つ可能性がある。

テスラと同様に、リビアンは顧客の車両から収集した実世界の走行データを用いてAI対応の自動運転ソフトウェアを訓練しており、他社の地図やデータに依存していない。

テスラの手法への頻繁な批判として、主センサーが比較的解像度の低いカメラに限定され、レーダーやLiDARを併用して高精度で状況を検知・監視・マッピングしていない点が挙げられてきた。これは、テスラの「フルセルフドライビング(FSD)」が関与した数多くの事故(なかには死亡事故も含まれる)の一因である可能性が高く、米運輸省道路交通安全局は現在調査を行っている最中だ。

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翻訳=江津拓哉

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