乾燥──つまり水分を完全に失うことは、地球上のほとんどの生物にとって死を意味する。細胞は崩壊し、細胞膜は破裂、DNAは断片化し、代謝は完全に停止する。
しかし、地球上で最も過酷な環境の中に、この法則を完全に覆す選りすぐりの種がいくつか存在する。俗に「復活植物(Resurrection Plant)」と呼ばれるこれらの生物は、ほぼ完全に乾燥状態になる能力を持っており、水が戻るとすぐに生命を吹き返す。
おそらくこのグループで最も極端な種は、一般に「ジェリコのバラ」または「観葉植物界の恐竜」として知られる「セラギネラ・レピドフィラ(Selaginella lepidophylla 和名:テマリカタヒバ)」だ。メキシコ北部と米国南西部に広がるチワワ砂漠が原産で、ほぼ完全な乾燥状態(内部水分が約5%まで低下)に耐え、休眠状態を維持できる。
驚くことに、この休眠状態はほぼ10年間持続する。一部の野外観察記録によれば、セラギネラ・レピドフィラは、一滴の水も与えられずに6~7年間生存できると推定されている。その仕組みは次の通りだ。
枯れることなく乾燥する復活植物
ほとんどの植物は、わずかな乾燥にしか耐えられない。十分な水分がなければ、組織がしおれ、光合成のスピードが遅くなるせいで、すぐに代謝ダメージが蓄積し始める。しかしセラギネラ・レピドフィラは、これとはまったく異なる仕組みを用いる──意図的に乾燥するのだ。
水分を失い始めると、セラギネラ・レピドフィラは茎と葉のらせん状の配置を利用して自らをきつく丸める。その結果、全体の表面積を大幅に減らすと同時に、内部組織を保護することができる。興味深いことに、この丸まった状態に達すると、この植物はほとんど重量を失う。つまり、タンブルウィード(回転草)のように砂漠の平原を風に吹かれて容易に転がっていくのだ。
驚くことに、ようやく雨が降ると──それが数日後であれ、数週間後であれ、数カ月後であれ、あるいは数年後であっても──植物は自らを解き放ち、再び緑色へと変わり始める。水やりをしてからわずか数時間で、何事もなかったかのように成長を再開する。
『Annual Review of Physiology』に掲載された研究が説明するように、このプロセスは、植物が「乾燥無代謝休眠(anhydrobiosis:アンハイドロバイオシス)」と呼ばれる状態に入ることで可能となる。乾燥無代謝休眠とは、クマムシやブラインシュリンプ(アルテミア)が極限環境で生き延びるために用いるものと同様の、可逆的な仮死状態を指す。しかし、熱や干ばつから逃げることができない植物は、この戦略にさらに強く依存している。
復活植物の細胞が、ほぼ完全な乾燥状態を生き延びる仕組み
水のない環境下における復活植物の回復力は、その生化学的特性に直接起因する。2013年に『Molecular Plant』で掲載された研究が説明するように、これは、水分喪失時に細胞を安定させるために用いるさまざまな戦術による。



