宇宙

2025.12.13 10:00

地球の磁場、南大西洋上空で「弱化」が進行中 SWARM衛星データで判明

地球の磁場と内部の外核の様子を描いた想像図。地球磁場は盾となり、太陽風の中で地球に向かって飛来する荷電粒子から地球を守っている。この盾がなければ、地球上に生命は存在できない(ESA/Planetary Visions)

磁場は場所により、弱まっている地域もあれば、強まっている地域もある。SWARMが軌道に投入されて以降、シベリア上空とカナダ周辺で磁場が増大・強化している。

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北極域の地球磁場の強度分布を示した地図。左が2014年、右が2025年のSWARMの観測データに基づく磁場強度分布をそれぞれ示す。シベリア上空(右)とカナダ周辺にそれぞれ磁場が強い領域があり、シベリアの領域は時間とともにさらに強くなっている(Finlay et al.2025/Physics of the Earth and Planetary Interiors)
北極域の地球磁場の強度分布を示した地図。左が2014年、右が2025年のSWARMの観測データに基づく磁場強度分布をそれぞれ示す。シベリア上空(右)とカナダ周辺にそれぞれ磁場が強い領域があり、シベリアの領域は時間とともにさらに強くなっている(Finlay et al.2025/Physics of the Earth and Planetary Interiors)

地球の磁場の強度が変動したり、時に極性が反転したりもする理由に関しては、科学的にはまだ完全に解明されていない。

地質年代の中には、地球の磁場が数百万年にわたり安定した状態を保っていた時代もある一方、わずか数千年から数万年の間隔で繰り返し変化していた時代もある。この不規則な挙動は、核とマントルの境界を越えて流動する物質が、核の乱流運動と磁場生成機構に影響を及ぼすことによって説明できる可能性がある。

今回の論文「Core field changes from eleven years of Swarm satellite observations」は学術誌Physics of the Earth and Planetary Interiorsに掲載された。全文はここで閲覧できる。

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追加情報とインタビューはESAから提供された。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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