モビリティ

2025.12.11 08:30

ウェイモが初めて事業目標を発表、東京含む世界20都市で週100万件の乗車目指す

Justin Sullivan/Getty Images

同サービスは利用者から高い人気を得ているものの、急成長に伴い新たな課題も生じている。例えばサンフランシスコでは、10月に近隣で人気だった猫の「Kit Kat」がウェイモの車両の下に潜り込んだ際、センサーがそれを検知できず誤って轢いてしまい、同社の安全面での評判に傷がついた。さらに11月には、ウェイモのロボタクシーが道路に飛び出した小型犬を轢く事故も発生した。ウェイモは人間を巻き込む重大事故や死亡事故こそ起こしていないものの、追加の安全対策が必要なのではないかという疑問が生じている。

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さらにウェイモは先日、テキサス州で駐車中のスクールバスに遭遇した際に停止しなかったとの報告を受け、車両ソフトウェアをアップグレードするための全車両リコールを発表した。

同社のチーフセーフティオフィサーを務めるアウリシオ・ペナは声明で、「ウェイモの歩行者に関連する負傷事故は人間ドライバーの12分の1であり、非常に強固な安全実績を誇っているものの、最高水準の安全性を維持するには、我々の挙動が改善されるべき場面を認識する必要がある」と述べた。

とはいえ、ウェイモの安全実績は、ロボタクシー業界の競合他社よりも良好である。ゼネラル・モーターズ傘下のクルーズは、サンフランシスコでの人身事故の後、1年前に運行停止へ追い込まれた。また、テスラは同社の「Full Self-Driving(FSD)」機能に関連する複数の事故や死亡事例をめぐって、継続的な法的問題に直面している。先日、米運輸省道路交通安全局は、FSDに関する調査を拡大すると発表した。

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ただし、ウェイモの安全問題がこれまで比較的軽微だったとはいえ、一部では、将来的なIPO(新規株式公開)を見据えた同社の急速な拡大に懸念する声もある。

カーネギーメロン大学の自動運転研究者であるフィル・クープマンはブログへの投稿で、「1億マイルもの走行経験を積んだ『世界で最も経験豊富なドライバー』が、依然として明らかに予見可能な状況への対応に苦労しているのはなぜなのか」と述べたうえで、「ウェイモはIPOを実現するか、あるいは看過できない重大事故を起こすまで、同じ手法で拡大し続ける強いインセンティブを持っている。どちらが先に起きるかは分からない」と指摘した。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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